医学の境界―栄養補助食品とそれが健康と環境に及ぼす影響 - 東京カレッジ

医学の境界―栄養補助食品とそれが健康と環境に及ぼす影響

TSAI Hung Yin

私は、医学の分野における歴史的な出会いや現代における出会いについて研究しています。その文化的、政治的、経済的、社会的、認識論的側面を明らかにすることが目的です。特に明らかにしたいのは、身体の機能、病気の原因、規範的な人生観など、さまざまな事柄に対する私たちの考え方が、グローバルなやりとりによってどう変容したのかという点です。私の現在のプロジェクトは栄養補助食品の問題に焦点を当てています。

栄養補助食品とは、健康に良いとされている加工食品で、現代の技術を用いて、ほとんどは昔からある薬草や食材で作られています。たとえば、アジア産のキノコ霊芝は免疫系を高め、南米産のマカは男性の活力を増すと言われています。私の関心は、医学の境界と非医学の境界のはざまに栄養補助食品が興味深い位置を占めていて、そのために健康に対する私たちの理解はどう変わってきたのかということにあります。こうした境界を探り、栄養補助食品に対する規制的枠組みとビジネス的枠組み、それらの背景にある科学的活動を分析します。

また現在、栄養補助食品の摂取はおそらく(合理的ではないにしても)、人々が身体を改善するために試みるもっとも一般的な方法になっています。身体の改善には減量や脂肪燃焼、長時間労働にも耐える活力、二日酔い予防など多くの形態があります。栄養補助食品は身体改善の重要な要素であり、私たちの日常生活につながっています。栄養補助食品の多くはバイオプロスペクティングと関係しています。バイオプロスペクティングとは、科学者が境界を越えて商品に利用できる植物や微生物、動物などの天然資源を体系的に探査することです。また私は、人間の身体の改善と、科学技術研究(STS)におけるバイオプロスペクティングという2つの観点から栄養補助食品の研究をしています。栄養補助食品の分析は、栄養補助食品がアクセシビリティや不平等、持続可能性の問題とどうかかわっているかを明らかにできるからです。そうした問題の多くはこれまで十分に考察されいないのです。

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