政治と支援ツール―近代日本における障害の歴史 - 東京カレッジ

政治と支援ツール―近代日本における障害の歴史

Mark BOOKMAN

日本では活動家や政策決定者が過去150年にわたって、多様な障害者層のためにアクセシビリティを向上させようとしてきましたが、そうした試みは必ずしも障害者を支援することにはならず、多くの場合、エンパワーされる障害者と同じくらいの障害者を排除してきました。本プロジェクトはその理由を探ります。どのような障害者がアクセシビリティを得てきたのか、それはなぜなのかを明らかにするために、公文書や報道、支援団体の資料を、歴史学、人類学、社会学、政治学、法学、メディア研究のアプローチを用いて分析します。

私のこれまでの研究によれば、工業化、都市化、軍事化、民主化、高齢化などのマクロ社会的プロセスと結びついた経済的圧力が、近代日本におけるアクセシビリティの政治の形成に重要な役割を果たしてきました。建築家やエンジニア、教育者、その他のステークホルダーはそうした経済的圧力を受けて、その時々の多様な障害者のニーズを重視してきたのです。同じく大きく影響力したのは、情報や素材、および障害者福祉分野で働く人々の国際的な流れで、それが日本の政治家を国内改革の推進に向かわせました。

本プロジェクトでは、日本の研究者が、障害者によって、障害者のために開発された技術を研究して、軍事行動やガバナンス形態から市場と素材の革新に至る、日本文化の数多くの側面を十分理解することがなぜ必要なのかを明らかにします。また、アメリカやヨーロッパで公平、アクセス、社会正義の問題に関心のある研究者がなぜ、日本における障害の歴史と政治の研究に取り組むべきなのかについても明らかにします。なぜ、日本が重要なのでしょうか。それは、日本は世界第3位の経済大国であり、高齢化が最も急速に進んでいるからです。日本の支援技術は海外に輸出されることが多く、アクセス向上に向けた日本の取り組みは、他の国々に模倣すべきモデルと回避すべきモデルを提供してきましたし、それはおそらく今後も続くでしょう。

本研究は規範的影響をもつ記述プロジェクトです。ステークホルダーに対し、誰が話し合いの席に着くのか、どうやってそこにたどり着くのか、アクセシビリティ政策の策定にあたってどういうことが想像できていないのかを考えるよう求め、歴史に学んで政策に影響を及ぼそうとします。日本の過去と現在における障害者のアクセシビリティの政治を明らかにすることで、インクルーシブな未来の創出に貢献します。

 

Related Publications

“Creating ‘Disability Publics’ in Postwar Japan (1937­–1957),” Journal of Japanese Studies, Vol. 50 No. 1 (2024). [Accepted for Publication] “Can the Tokyo 2020 Paralympic Games Spur Change?” The Japan Times (September 6, 2021). “The Coronavirus Crisis: Disability Politics and Activism in Contemporary Japan,” Japan Focus: The Asia–Pacific Journal, Vol. 18 No. 3 (2020), pp. 1–13.

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