グローバルなアクセシビリティへの入口としての日本研究 - 東京カレッジ

グローバルなアクセシビリティへの入口としての日本研究

Mark BOOKMAN

東京2020パラリンビックは日本の障害者運動の活動家や政策決定者、専門技術者に、新たな支援技術を開発し、それを国際舞台で披露する機会を提供しました。そうした技術者によるアクセシビリティ向上の活動は、模倣すべき成功モデルとなりましたし、今後もおそらく成功モデルであり続けるでしょう。また、他の国や文化、状況においてアクセシビリティ向上に取り組む支援者が避けるべきことは何か、教訓を示しもしました。

アクセシビリティ・プロジェクトを日本からローカライズする取り組みに、どのような人や組織がかかわっているのでしょうか。そのような人や組織はなぜ、アクセシビリティ・プロジェクトのローカライゼーションに参加したいと思い、参加できるのでしょうか。彼らの行動は多様な障害者層をどのようにエンパワーあるいは排除するのでしょうか。また、ローカライゼーションのプロセスを簡素化して、よりインクルーシブな社会を創出するために、何かできるのでしょうか。本プロジェクトは、公文書、報道、活動家の記録を、歴史学、人類学、社会学、法学、政策学、メディア研究のアプローチを用いて分析し、これらの問いに答えようとします。

日本におけるこれまでの障害研究は国内の動向を重視していますが、それを踏まえたうえで本プロジェクトは、島国日本がアクセシビリティをめぐる国際的な議論にどのように貢献しているかを例証します。そのためにドイツの介護ロボット、ルワンダの電動車いす、フィリピンのスクリーンリーダー、台湾のノンステップ交通機関などの事例を調査します。本プロジェクトは、グローバルな障害研究がなぜ日本研究をも包含しなければならないのかを明らかにし、よりアクセシブルな社会を将来創出したいと考える建築家やエンジニア、教育者、政策決定者、一般市民、その他のステークホルダーに実践的な助言を提供します。

 

Related Publications

“Creating ‘Disability Publics’ in Postwar Japan (1937­–1957),” Journal of Japanese Studies, Vol. 50 No. 1 (2024). [Accepted for Publication] “Can the Tokyo 2020 Paralympic Games Spur Change?” The Japan Times (September 6, 2021). “The Coronavirus Crisis: Disability Politics and Activism in Contemporary Japan,” Japan Focus: The Asia–Pacific Journal, Vol. 18 No. 3 (2020), pp. 1–13.

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