サステイナブル社会デザインセンター 第1回国際シンポジウム 「サステイナブルでインクルーシブな社会に向けて:自然の多様な価値のあり方を考える」 - 東京カレッジ

サステイナブル社会デザインセンター 第1回国際シンポジウム 「サステイナブルでインクルーシブな社会に向けて:自然の多様な価値のあり方を考える」

日時:
2022.10.11 @ 15:00 – 18:00
2022-10-11T15:00:00+09:00
2022-10-11T18:00:00+09:00
サステイナブル社会デザインセンター 第1回国際シンポジウム 「サステイナブルでインクルーシブな社会に向けて:自然の多様な価値のあり方を考える」
終了しました
共催イベント
開催日時 2022年10月11日(火)15:00-18:00
会場

東京大学 柏図書館メディアホール+オンライン配信のハイブリッド
申し込みフォーム
※会場参加は、東京大学構成員(学生、教職員)に限らせていただきます。先着50名を超えた場合、または新型コロナ感染拡大によりオンライン限定開催になった場合には、オンライン参加のURLをご案内します。

言語 日本語・英語 (同時通訳有)
要旨

私たちの生活は、さまざまな自然の恵み(食料や木材など)を市場で取引することによって成り立ってきました。しかし、自然の価値は、これらの市場で取引される価値、金銭的な価値だけではありません。例えば、水質浄化などの湿地が提供する恵みは、市場で取引されることはありません。さらに、貨幣評価できない価値も存在しています。例えば、鎮守の森が提供する恵みの一つは、地域の人たちがその森を崇める儀礼などを実施することを通じて作られる地域への愛着や地域の結びつきなどにあります。このような自然のもたらす多様で複数存在する価値を評価することの重要性を訴えるため、生物多様性と生態系サービスに関する政策を話し合う国際的なフォーラムであるIPBESにおいて価値評価報告書(Values Assessment Report)が作成されました。

その一方で、我が国においては、このような自然がもたらす多様な価値を利用しながら、それを地域の魅力として発信していくことで、多様な関係者(関係人口)とのつながりを築き、地域振興を実践している地域が存在しています。本シンポジウムでは、生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学ー政策プラットフォーム(IPBES)の価値評価報告書の作成に携わった研究者を国内外から招聘し、また、日本における多様な価値を活用した地域振興の事例を紹介します。国際的な場での多様な価値の科学的な評価に関する議論と、我が国の地域における多様な価値を活用した地域振興の実践、その両者の接合点を見出すことを通じて、どのようにサステイナブルで、インクルーシブな社会を築くことができるのかを議論します。

 

プログラム
開会挨拶   林 香里 東京大学 理事
サステイナブル社会デザインセンターの説明
    亀山康子 サステイナブル社会デザインセンター センター長
シンポジウム主旨説明
    福永真弓 東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授

第一部:生物多様性の政策現場より:多様な自然の価値の評価の可能性の模索
基調講演「IPBESの「価値評価報告書」の概要について」(TBD)
    ウナイ・パスカル バスク気候変動研究所 教授、IPBES価値評価報告書 議長
講演1「多様な価値の評価の手法について」(TBD)
    ラケル・グールド ヴァーモント大学 准教授
講演2「多様で複数の価値の社会実装の現場より:グレナダ生態系評価を実例として」
    石原広恵 サステイナブル社会デザインセンター 准教授

第二部:多様な自然の価値を利用した地域振興のあり方
講演1「福井県池田町における取り組み」
    溝口 淳 池田町 副町長
講演2「しまんと流域農業プロジェクトの取り組み」
    梅原 真 梅原デザイン事務所 代表

第三部:パネルディスカッション
   講演者に加えて、下記の方々をお招きし「生物多様性の多様な価値」について議論する。
    味埜 俊 東京カレッジ 副カレッジ長
    神井弘之 政策研究大学院大学政策研究院 参与・シニアフェロー
    橋本 禅 農学生命科学研究科 准教授
    吉田有紀 国立環境研究所 研究員
   ファシリテータ: 福永真弓 新領域創成科学研究科 准教授
    
閉会挨拶  出口 敦 新領域創成科学研究科 研究科長

司会  張 潤森 サステイナブル社会デザインセンター 准教授

※ プログラムは変わる可能性があります。あらかじめご了承ください
主催 サステイナブル社会デザインセンター /東京大学 大学院新領域創成科学研究科、東京大学 東京カレッジ
お問い合わせ spo@edu.k.u-tokyo.ac.jp

Upcoming Events

開催予定のイベント

国際女性デー シンポジウム「国境を越えたフェミニスト運動を考える」

イベント予定シンポジウム/Symposium

2023年3月31日(金)10:00-11:30

東京カレッジのジェンダー・セクシュアリティ・アイデンティティ共同研究会は、国際女性デーにちなんだシンポジウムを開催します。「女性、生命、自由」というスローガンを掲げたイランの抗議運動に注目し、女性を中心とした運動がどのように翻訳・伝播・理解され、国境を超えた連帯を促進しうるかを考察します。

「動物、災害、山――環境人文学再考」(講演者:ハルオ・シラネ教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年4月4日(火)16:00-17:30

日本文化において、人間と動物、人間と山とは、どのような関係にあるでしょうか。そして自然災害との関係は?これらの複雑な関係は、現代にふさわしい環境倫理を生み出すためにどのように役立てることができるでしょうか。本講演会では、人間と人間以外のものの関係を再考する手段として、「災害•アフターライフ•再生 のエコロジー」を提唱するシラネ教授からお話を伺います。

日本の言語政策と学習者アイデンティティの前提 ― 日本人のための英語教育、外国人のための日本語教育の推進 ― (講演者:橋本佳代子)

イベント予定ワークショップ/Workshop講演会/Lecture

2023年4月17日(月) 13:30-14:30

日本の言語政策は、国家、言語、国民が不可分であるという考え方が根底にあり、この考え方が日本の言語政策を形成してきました。本講演では、橋本佳代子博士(クイーンズランド大学)が、日本のいわゆる「英語教育」において学習者のアイデンティティがどのように構築されてきたか、また、海外での日本語教育推進において学習者のアイデンティティがどのように想定されてきたかを論じます。

外来語と日本人のアイデンティティ:「氾濫」と「吸収」?

イベント予定講演会/Lecture

2023年4月19日(水) 17:00 -18:30

日本語は外来語の氾濫によって乱れているのか。それとも、外国語から新しい語彙を吸収することで豊かになっているのか。現代の日本では、そんな議論をよく耳にする。本書『Loanwords and Japanese Identity: Inundating or Absorbed?』は、日本語の語彙借用についての議論を分析することで、言語とアイデンティティの関係を探る。

がん研究 ー ノーベル賞からのインスピレーション(講演者:Carl-Henrik HELDIN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年4月22日(土)16:00-17:30(15:30開場)

過去122年間において、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の分野で約1000人の方にノーベル賞が授与されました。これらの受賞者たちの偉大な業績は、様々な研究に多大な影響を与えてきました。本講演では、がんの原因や治療法の解明を目指す研究を取り上げ、ノーベル賞受賞者たちの業績から得られたインスピレーションを語ります。

Previous Events

公開済みイベント

染色体の機能と維持 ー 生命の継承のしくみ(講演者:Camilla BJÖRKEGREN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年3月10日(金)16:00-17:30

DNAのらせん構造に着目し研究を行うBjörkegren教授を招き、染色体DNAの構造と機能、そしてこれらの特徴が細胞の増殖にどのような影響を与えるのかについてお話を伺います。遺伝物質が二本鎖のらせん状に構成されていることによって、私たちの細胞のアイデンティティと発達がどのように方向づけられるのか、また、本当にこれらによって方向づけられているのかという点についても議論します。

アジアと世界の男性像:社会言語学からみた変遷(講演者:平本美恵准教授)

イベント予定ワークショップ/Workshop講演会/Lecture

2023年3月1日(水)15:00-16:00

本発表では、社会言語学の視点からみて、アジアとそれ以外の地域における男性像の変遷を探究します。社会文化的なステレオタイプと男性性イデオロギーとの関係、また、ジャンル、スタイル、メディアがこれらの概念に対する私たちの理解をどのように形成しているのかに焦点を当てます。Aghaの著作を中心に、メディア化 (mediatization)とレジスター化(enregisterment)の理論的概念、および人物像(figures of personhood)の概念を用いて、3つのケーススタディを分析します。

メアリ・ウルストンクラフト フランス革命の歴史を見つめ、書き残した英国の女性思想家(講演者:Pierre SERNA教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月27日(月)16:00-17:30

一般的には、フランケンシュタインを近代化の怪物的なメタファーとして描いたメアリ・シェリーの方が、母親のメアリ・ウルストンクラフトよりも馴染みがあるだろう。また、メアリ・シェリーを出産してウルストンクラフトが亡くなったことは、歴史家には知られている。しかし、研究者の間では、ウルストンクラフトの2つの著書、エドマンド・バークに対する返答としての『人間の権利の擁護』と『女性の権利の擁護』は、極めて高い評価を得ている。本講演では、長いあいだ日の目を見ることが無かったウルストンクラフトのもう1つの著書、『フランス革命の歴史的・道徳的見解とそれがヨーロッパにもたらした影響』を紹介する。これはフランス革命に関する最初の偉大な歴史書の一つであり、新たな叙述と歴史的認識論を提起している貴重な本である。

日本と感性ロボット:性別と感情をプログラミングするとは?(講演者:Jennifer ROBERTSON教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月20日(月)16:00-17:30

日本における多くの人型ロボットは、アルゴリズム構築のために大幅に単純化され、ステレオタイプ化された性別、感情、性質を備えつけられている。多数のアルゴリズムで構成される人工知能(AI)は、パターン認識のタスクには有用だが、人間の設計者が抱いている日常社会の偏見を永続させ、再生産することもある。本講演では、このような人型ロボットと、ロボットの設計がセキュリティを含む他の産業に及ぼす影響について議論する。

北インドのウッタラカンド地方の若者に学ぶ生き方(講演・ドキュメンタリー映画上映)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月8日(水)16:00-17:30

北インドのウッタラカンド地方において、環境と社会経済的危機に対応し、日常的に社会活動を行いながら、若者たちがどのように生き延びようとしているのか紹介します。Jane Dyson准教授によるドキュメンタリー映画「Spirit」も上映します。

英国のインド太平洋地域への傾斜―2022年に何が変わったのか?(講演者:Alastair MORGAN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月3日(金)16:00-17:30

2021年、英国政府は防衛、安全保障、開発、外交政策における「インド太平洋への傾斜」を発表した。本講演では、英国の政治的混乱や経済的困難、ロシアのウクライナ侵攻の影響などが展開した2022年の変化を検討する。


TOP