連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」④経済 - 東京カレッジ

連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」④経済

日時:
2020.06.26 @ 14:00 – 15:30
2020-06-26T14:00:00+09:00
2020-06-26T15:30:00+09:00
連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」④経済

東京カレッジ連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」において、経済をテーマとした第4回目のオンラインシンポジウムが6月26日(水)に開催されました

星岳雄教授(経済学研究科、東京カレッジ)が司会を務め、マクロ経済学および金融専門の渡辺努教授(経済学研究科長)、公共経済学とマクロ経済学専門の岩本康志教授(経済学研究科)、開発経済学、空間経済学、労働経済学専門の川田恵介准教授(社会科学研究所、経済学研究科CREPE)、金融とファイナンス専門の宮川大介准教授(一橋大学、経済学研究科CREPE)が登壇しました。

シンポジウム前半では、コロナ危機が世界の経済にどのような影響を与えたのかについて意見交換が行われました。渡辺教授は人々の消費スタイルに注目し、宮川准教授は企業の退出メカニズムの変容に焦点を当てました。続いて、川田准教授はコロナ危機が労働市場に与えた影響について論じ、最後に岩本教授は経済活動全体と生命とのトレードオフについて考察しました。シンポジウム後半では、コロナ危機によって明らかになった経済システムの問題と緊急の課題について議論されました。経済学の中にも様々な視点があること、注目するデータによって危機の捉え方や対策の講じ方も異なってくることが具体例に示されました。

 

終了しました
YouTubeライブ配信
開催日時 2020年6月26日(金)14:00-15:30
会場

東京カレッジYouTubeチャンネル ( https://youtu.be/Vl9ngtK9lk0 )

言語 日本語(Japanese language only)
要旨

コロナ危機とその後の世界を考える際に重要な6つのテーマを設定し、それぞれについて専門家同士が座談会形式で討議する連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」④経済

新型コロナウイルス感染症の世界的な規模での蔓延は、経済にどのような影響を与えたのか、他の危機たとえば金融危機などと何が違ったのか、コロナ危機によって明らかになった経済システムの問題、経済政策の問題というのはどのようなものか、またいま緊急に明らかにされなければならないことは何なのか?こうした日本経済そして世界経済にとっての喫緊の課題について、東大の経済学研究科を中心とする討論者が話し合う。

プログラム

コーディネーター:星岳雄(経済学研究科教授+東京カレッジ特任教授)

登壇者:渡辺努(経済学研究科長)、岩本康志(経済学研究科教授)、川田恵介(社会科学研究所准教授、経済学研究科CREPE)、宮川大介(一橋大学准教授、経済学研究科CREPE)

YouTubeライブ配信➤ https://youtu.be/Vl9ngtK9lk0

講師プロフィール

渡辺努 (東京大学大学院経済学研究科教授・研究科長)研究分野はマクロ経済学,特に金融政策と物価。『長期デフレの解明』プロジェクトの一環として開発した東大日次物価指数を2013年5月より一般公開。その後,同指数の事業化のために,東大エッジキャピタルと日経の出資を得て2015年2月に株式会社ナウキャストを創業。現在同社の技術顧問を務める。

岩本康志(東京大学大学院経済学研究科教授)1961年生まれ。京都大学経済学部卒業,大阪大学経済学博士、医療経済学会会長。著書に『健康政策の経済分析』(共著,東京大学出版会,第60回日経・経済図書文化賞受賞)他。主に社会保障と政策評価の研究に従事する。

川田恵介(社会科学研究所准教授、東京大学大学院経済学研究科政策評価研究教育センター CREPE)最終学歴:大阪大学 経済学博士。主な職歴:広島大学国際協力研究科などを経て現職。主著:”Multi-region job search with moving costs” Regional Science and Urban Economics (2016) (共著)

宮川大介(一橋大学大学院経営管理研究科准教授、東京大学大学院経済学研究科政策評価研究教育センター (CREPE) 招聘准教授)最終学歴:カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)経済学博士。主な職歴:日本政策投資銀行、ハーバード大学などを経て現職。現在、日本銀行金融研究所客員研究員、内閣府経済社会総合研究所客員研究員、中小企業庁中小企業政策審議会委員を兼任。主著:“Natural Disasters, Damage to Banks, and Firm Investment,” International Economic Review 57 (4): 1335-1370, 2017.(共著)

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ

Upcoming Events

開催予定のイベント

デジタルフロンティアの強化:サウジアラビアのサイバーセキュリティへの道(講演者:Muhammad KHURRAM KHAN教授)

イベント予定共催/Joint Event講演会/Lecture

2024年4月24日(水)15:30-17:00 JST

本講演では、サウジアラビアが企業や個人をサイバー脅威から守るためのICTインフラの取り組みを紹介する。サイバーセキュリティ能力を再評価するサウジアラビアの取り組み、デジタルで安全な経済ビジョンへの投資、地域のリーダーとしてだけではなく、集団的サイバーセキュリティの世界的パイオニアとして自国を位置づけるための戦略的枠組みなどについて議論する。

暗黒の遺産に光を:日本における戦時外国人労働者の慰霊碑(講演者:Andrew GORDON教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年4月26日(金)14:00-15:30 JST

戦時外国人労働者の死を追悼する慰霊碑は、遺産に関連する「暗黒」(dark)という言葉の二つの意味を思い起こさせる。歴史上の悲劇的な出来事の追悼と、この歴史についてあまり知られていない、ほぼ隠されている慰霊碑の重要性である。2つの意味で「暗黒」であるこれらの場所で伝えられるメッセージは何か、検討する。

グローバルヒストリー史家のアーカイブとは何か?(講演者:Martin DUSINBERRE教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年5月10日(金)10:30-12:00

本講演では、アジア各地域と太平洋水域を航行した「山城丸」の軌跡を追いながら、19世紀後半、ハワイや東南アジア、オーストラリアで働くために日本を離れた移民たちの生活を革新的な視点から考察する。これらの物語は、入植者植民地主義、労働史、資源採掘に関する環太平洋の歴史研究を新たな方法で結びつける。本講演では、非伝統的な、実物性の高いアーカイブをもとに、グローバル・ヒストリーの記述における方法と記述者の立ち位置に関する重要な問題を取り上げる。

永久凍土を考える(講演者:Sabine DULLIN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年5月14日 (火)16:30-18:00

本講演では、居住する先住民コミュニティにとって自然で意味のある土地であった永久凍土が、いかに科学的問題として発見されたのか検討する。そして、21世紀初頭、ヤクーツクなど北極圏の準州における主権の模索において、永久凍土がどのように政治的意味を帯びたかを論じる。

「西洋」という虚構とその仮想的同一性:人類学的差異について(講演者:酒井直樹教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年5月17日(金)14:00-15:30

近現代世界の国際的な景観は、近世における「ヨーロッパ」の出現以来、人類学的差異への投資によって形成されてきた。ヒューマニタスとアントロポスを区別するこの差異は、事実的な規範というよりも、むしろ規制的な理念として人類の行く道を導く予期的なものである。それは、ヨーロッパ/アジア、西洋/東洋、白人/有色人種といった二項対立を統合し、複雑な帰属関係を育む。本講演では、ヨーロッパ文化、西洋文明、有色人種を排除した人種にみられる白人性のアイデンティティ・ポリティクスについて掘り下げる。しかし、真の帰属意識は依然として仮定のものであり、非ヨーロッパ的、非西洋的、非白人的なものとの対比を通してのみ実現される。

21世紀の中央銀行(講演者:Luiz Awazu PEREIRA DA SILVA教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年5月29日 (水)15:00-16:30 JST

21世紀の中央銀行は、5つの岐路に直面している(1. インフレとその不透明性の再現、2. 気候変動、3. 不平等、4. デジタル金融イノベーション、5. 人工知能)。これまで、中央銀行は課題に直面した際、分析的思考を強化し、適切にリスクを均衡させ、最善の道を選択してきた。現在、中央銀行が直面する新たな課題は、中央銀行がそれらの挑戦的な影響を慎重に特定し、分析する必要があることを示唆している。

ザ・サロン ー 東大教授との対話シリーズ シーズン2

イベント予定対話/Dialogue

2024年6月7日以降毎週金曜日 順次公開(17:00以降視聴可能)

東大の文系の卓越研究者をゲストに迎え、東京カレッジの島津直子教授がホスト役を務める対談シリーズ新企画。専門分野の壁を超えた対話を繰り広げます。
収録はキャンパス内の某カフェで、コーヒーを片手に行われました。隣の席に座った気分で、分野の異なる専門家によるリラックスした会話に耳を傾けてみませんか?
今までにないゲストの新たな一面がみられる、魅力の新企画です。

Previous Events

公開済みイベント

日本と中国におけるモンテスキュー「法の精神」専制主義問題の受容(講演者:Anne CHENG教授)

イベント予定共催/Joint Event講演会/Lecture

2024年4月18日(木)14:00-16:00

モンテスキューの『法の精神』 (De l’Esprit des lois)から引用された最も有名な言葉のひとつに「中国は専制国家であり、その原理は恐怖である」がある。本講演は、現代の文脈に流されて結論を急ぐ前に、モンテスキューの思想と最も有名な著作が明治日本、そして後期帝政中国でどう受容されていたか考察することを提案する。

想像的体験としての博物館展示(講演者:Leslie BEDFORD教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年4月17日(水)10:30-12:00 JST

博物館は本来、訪問者のためのものであり、展示はユニークなコミュニケーション手段です。分極化が進むアメリカにおいて、展示はどのように多様な公衆の想像力と関わり、同時に人類共通の感覚にインスピレーションを与えることができるでしょうか?

財産権の剥奪は なぜ必要か(講演者:Frank UPHAM教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年4月15日(月)17:00-18:30 JST

世界銀行、アメリカ政府、そして事実上すべての学者が、「財産権は市場経済のインセンティブ構造の中心にある」、「自由で強固な市場は、財産権が尊重される場合にのみ繁栄することができる」という点で一致している。しかし、繰り返されてきた事例はその逆を意味する。急速な経済成長を実現し、成長がもたらす社会的利益を実現するためには、財産権は剥奪されなければならない。

ガンディーと(人権の)体制(講演者:Vinay LAL教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年3月25日(月)17:30-19:00

本講演ではLAL教授は、まず、西洋における「権利」の概念と権利に関する語りの概念の変遷、また、権利に関するガンディーの考え方、権利の概念に関する彼の哲学的、倫理的、政治的疑問、そして人新世に対する彼の予見について説明する。

国際女性デーイベント: 芥川賞受賞作家 村田沙耶香氏を迎えて

イベント予定対話/Dialogue講演会/Lecture

2024年3月18日(月)17:00-18:30 JST

東京カレッジ ジェンダー・セクシュアリティ・アイデンティティ共同研究会は、芥川賞受賞作家 村田沙耶香氏を迎え、国際女性デーを記念したウェビナーを開催します。 小説「コンビニ人間」(2016)で第155回芥川賞を受賞した村田氏に執筆経験やインスピレーションについて聞き、社会におけるジェンダーとセクシュアリティの規範、またそれらが私たちの世界をどのように形作っているのかについて再考します。

野生の教育学:惑星の境界とグローバル化する現状の危機(講演者:Bob JICKLING教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年3月11日(月)15:30-17:00

地球規模の持続可能性の課題に取り組む上で、教育はとても重要です。野生の教育学は、人間と場所、景観、自然、人間以外の存在、惑星の境界の関係をそれぞれ再検討することを目的としています。 自然を私たちの「教師」と位置付け、教育学の管理を強化しようとするグローバルな傾向に挑戦します。 野生の教育学は、保護者、学生、地域の教育者、教師、学者、ビジネスリーダー、政策立案者、自然環境ガイドなど、自然の実践の可能性に興味を持ち、視野を広げたいと願う全ての人に向けて提供されます。


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