緊急時の科学と社会の関係について-情報の伝達と説明- | 東京カレッジ

緊急時の科学と社会の関係について-情報の伝達と説明-

2020.05.02
OHTAKE Satoru
大竹 暁

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COVID-19パンデミックは世界中で蔓延しており、人々の生命を脅かしています。 COVID-19事件のような緊急事態において、科学はどのように社会と相互作用することができるでしょうか?

通常は、科学は、研究活動を通じて、自然現象を解明することを追求し、さまざまな知見を得て、それを一連の知識として体系化します。 したがって、科学は膨大な量の知識を有し、過去の経験の知恵を蓄積します。

緊急事態下で、科学は人々と社会のために何かをすることができるでしょうか?

COVID-19の場合、多くの医学関係者人々がこの新たな事態に対処するために多大な努力を払ってきました。科学的見地から何が起こっているのかを分析して説明する人もいれば、COVID-19のメカニズム、治療、医学に関する研究を行っている人、そして政府の専門家パネルに参加して政策立案者に専門知識を提供する人もいます。これは、社会と科学が関与する典型的な3つの方法を示しています。

最初に、科学者は彼らの経験と蓄積された知識を使って、人々と社会に新たな出来事や現在起こっていることを説明します。未知の要因がある場合、何が起こっているかを説明することはとても困難です。 COVID-19の場合、感染のメカニズムとコロナウイルスのグループがどのように病気を起こすかに関する一般的な知識は存在しますが、この新型ウイルスの感染力、ウイルスが死滅する条件、起こされる病気の治療法や薬に関する情報は欠けているか、わかっていませんでした。このような状況下で、科学者は社会に説明する必要があります。なぜなら、彼らは社会の他のどのグループよりも、この出来事についてより良い、より多くの知識を持っているからです。

これは本当に大変な仕事です。このプロセスを意味のある効果的なものにするには、2つのポイントが必要です。

第一に、関連する情報は日々増加し、改善していくので、進捗状況に応じて説明は深化し、変化しています。場合によって、過去の説明が適切ではなくなることもあります。科学者は、事実と進捗状況に正直であるべきで、何が最新の証拠に基づく情報であるか誠実に説明する必要があります。過去の説明が大きく変化している場合は、説明を変える理由を明確にする必要があります。一部の科学者は、彼らの説明の権威を維持することに何よりも固執し、過去の説明がもはや適切ではなくなったことを決して認めません。しかし、これらの科学者のこのような虚栄心は、一般の人々による科学の信頼を損なうだけです。

第二に、人々と社会は、科学者が知識と情報が限られている状況下で事態を説明し、彼らの善意から事態の背後にある事実を解明しようとしていることを認識したほうがよいでしょう。彼らの説明は通常完璧ではなく、近い将来改善する必要があります。人と社会は、状況を正しく理解し、優れた科学者が何をしているかを見極めるために寛大でなければなりません。

COVID-19は、科学者が事態を一般に説明することを期待される最初のケースではありません。少なくとも日本では、2011年3月11日の原子力発電所の事故で同じような状況が発生しました。非常に多くの研究者が部分的知識と情報によって事象をさまざまに無秩序に説明し、その混乱が公衆による科学と工学の信頼を大きく傷つけたという苦い経験をしています。

そのような悪い経験は二度とあってはなりません。

次の記事では、科学者が実際の対策のために何をすべきかについて説明します。

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