連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」⑤SDGs - 東京カレッジ

連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」⑤SDGs

日時:
2020.06.30 @ 15:00 – 16:30
2020-06-30T15:00:00+09:00
2020-06-30T16:30:00+09:00
連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」⑤SDGs

東京カレッジ連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」において、SDGsをテーマとした第5回目のオンラインシンポジウムが6月30日(火)に開催されました

コーディネーターである味埜俊教授(東京カレッジ 特任教授)は貧困、福祉、平等、教育などの社会的側面、経済成長、技術革新、街づくりなどの経済的側面、気候変動、海や陸の保全などの環境的側面で人類が2030年までに克服すべき課題を17個のゴールとして紹介しました。また、シンポジウムのテーマであるポストコロナ社会とSDGsについて、コロナ危機の特徴とコロナ危機とSDGsの関係を挙げて説明しました。

沖大幹教授 (国連大学上級副学長)は「SDGs x COVID-19」と題した発表で、国際連合の立場からCOVID-19は2030年までにSDGsが達成されないことの言い訳にはならないと話しました。グローバル経済下で各国が一致団結し、世界全体が感染症に対して強靭になることの重要性を述べました。ワクチンを全世界に公平に提供できるかは試練であると発言しました。

北村友人准教授(教育学研究科)は「ウィズ/ポスト・コロナ社会におけるSDGsを『教育』の視点から捉え直す-教育と健康のネクサスと社会の安定-」と題した発表の中で教育学の立場から特にGoal 4「すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し」について、 COVID-19によって修学機会の消失、格差拡大、虐待の助長、健康問題の深刻化などの懸念があると話しました。平等・公正な教育から包括的教育へ、社会変革に寄与する柔軟な学びが重要だと述べました。

福永真弓准教授(新領域創成科学研究科)は「『新常態』の手前で 衡平な持続可能性とSDGs」と題した発表で、「誰一人取り残さない」(No one left behind)という理念のもとに、倫理学・社会学の立場から「科学的根拠」や「数字」になる前の個別具体的物語の必要性を語りました。

終了しました
YouTubeライブ配信
開催日時 2020年6月30日(火)15:00-16:30
会場

東京カレッジYouTubeチャンネル ( https://youtu.be/MyrUL-BBfe8 )

言語 日本語(Japanese language only)
要旨

コロナ危機とその後の世界を考える際に重要な6つのテーマを設定し、それぞれについて専門家同士が座談会形式で討議する連続シンポジウム「コロナ危機を越えて」⑤SDGs

SDGsは社会のvulnerableなところに焦点を当てようと意図されている。COVID-19はその社会の弱点をついてきたとも言える。また、パンデミックに対応する時の疫学的な要請を重視したときに経済活動とのジレンマが際立ったように、経済以外にも文化や人権などSDGsで扱う多くの課題がコロナ危機とつながっていることがあぶり出された。この座談会では、コロナ危機をSDGsの枠組みを通してみたときに見えてくるものは何か、SDGsを通して、ポストコロナ社会において重要な視点とは何かを考える。

プログラム

コーディネーター:味埜俊(東京カレッジ特任教授)

登壇者:沖大幹(国連大学上級副学長)、北村友人(教育学研究科准教授)、福永真弓(新領域創成科学研究科准教授)

YouTubeライブ配信➤ https://youtu.be/MyrUL-BBfe8

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ

Upcoming Events

開催予定のイベント

国際女性デー シンポジウム「国境を越えたフェミニスト運動を考える」

イベント予定シンポジウム/Symposium

2023年3月31日(金)10:00-11:30

東京カレッジのジェンダー・セクシュアリティ・アイデンティティ共同研究会は、国際女性デーにちなんだシンポジウムを開催します。「女性、生命、自由」というスローガンを掲げたイランの抗議運動に注目し、女性を中心とした運動がどのように翻訳・伝播・理解され、国境を超えた連帯を促進しうるかを考察します。

「動物、災害、山――環境人文学再考」(講演者:ハルオ・シラネ教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年4月4日(火)16:00-17:30

日本文化において、人間と動物、人間と山とは、どのような関係にあるでしょうか。そして自然災害との関係は?これらの複雑な関係は、現代にふさわしい環境倫理を生み出すためにどのように役立てることができるでしょうか。本講演会では、人間と人間以外のものの関係を再考する手段として、「災害•アフターライフ•再生 のエコロジー」を提唱するシラネ教授からお話を伺います。

日本の言語政策と学習者アイデンティティの前提 ― 日本人のための英語教育、外国人のための日本語教育の推進 ― (講演者:橋本佳代子)

イベント予定ワークショップ/Workshop講演会/Lecture

2023年4月17日(月) 13:30-14:30

日本の言語政策は、国家、言語、国民が不可分であるという考え方が根底にあり、この考え方が日本の言語政策を形成してきました。本講演では、橋本佳代子博士(クイーンズランド大学)が、日本のいわゆる「英語教育」において学習者のアイデンティティがどのように構築されてきたか、また、海外での日本語教育推進において学習者のアイデンティティがどのように想定されてきたかを論じます。

外来語と日本人のアイデンティティ:「氾濫」と「吸収」?

イベント予定講演会/Lecture

2023年4月19日(水) 17:00 -18:30

日本語は外来語の氾濫によって乱れているのか。それとも、外国語から新しい語彙を吸収することで豊かになっているのか。現代の日本では、そんな議論をよく耳にする。本書『Loanwords and Japanese Identity: Inundating or Absorbed?』は、日本語の語彙借用についての議論を分析することで、言語とアイデンティティの関係を探る。

がん研究 ー ノーベル賞からのインスピレーション(講演者:Carl-Henrik HELDIN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年4月22日(土)16:00-17:30(15:30開場)

過去122年間において、物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の分野で約1000人の方にノーベル賞が授与されました。これらの受賞者たちの偉大な業績は、様々な研究に多大な影響を与えてきました。本講演では、がんの原因や治療法の解明を目指す研究を取り上げ、ノーベル賞受賞者たちの業績から得られたインスピレーションを語ります。

Previous Events

公開済みイベント

染色体の機能と維持 ー 生命の継承のしくみ(講演者:Camilla BJÖRKEGREN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年3月10日(金)16:00-17:30

DNAのらせん構造に着目し研究を行うBjörkegren教授を招き、染色体DNAの構造と機能、そしてこれらの特徴が細胞の増殖にどのような影響を与えるのかについてお話を伺います。遺伝物質が二本鎖のらせん状に構成されていることによって、私たちの細胞のアイデンティティと発達がどのように方向づけられるのか、また、本当にこれらによって方向づけられているのかという点についても議論します。

アジアと世界の男性像:社会言語学からみた変遷(講演者:平本美恵准教授)

イベント予定ワークショップ/Workshop講演会/Lecture

2023年3月1日(水)15:00-16:00

本発表では、社会言語学の視点からみて、アジアとそれ以外の地域における男性像の変遷を探究します。社会文化的なステレオタイプと男性性イデオロギーとの関係、また、ジャンル、スタイル、メディアがこれらの概念に対する私たちの理解をどのように形成しているのかに焦点を当てます。Aghaの著作を中心に、メディア化 (mediatization)とレジスター化(enregisterment)の理論的概念、および人物像(figures of personhood)の概念を用いて、3つのケーススタディを分析します。

メアリ・ウルストンクラフト フランス革命の歴史を見つめ、書き残した英国の女性思想家(講演者:Pierre SERNA教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月27日(月)16:00-17:30

一般的には、フランケンシュタインを近代化の怪物的なメタファーとして描いたメアリ・シェリーの方が、母親のメアリ・ウルストンクラフトよりも馴染みがあるだろう。また、メアリ・シェリーを出産してウルストンクラフトが亡くなったことは、歴史家には知られている。しかし、研究者の間では、ウルストンクラフトの2つの著書、エドマンド・バークに対する返答としての『人間の権利の擁護』と『女性の権利の擁護』は、極めて高い評価を得ている。本講演では、長いあいだ日の目を見ることが無かったウルストンクラフトのもう1つの著書、『フランス革命の歴史的・道徳的見解とそれがヨーロッパにもたらした影響』を紹介する。これはフランス革命に関する最初の偉大な歴史書の一つであり、新たな叙述と歴史的認識論を提起している貴重な本である。

日本と感性ロボット:性別と感情をプログラミングするとは?(講演者:Jennifer ROBERTSON教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月20日(月)16:00-17:30

日本における多くの人型ロボットは、アルゴリズム構築のために大幅に単純化され、ステレオタイプ化された性別、感情、性質を備えつけられている。多数のアルゴリズムで構成される人工知能(AI)は、パターン認識のタスクには有用だが、人間の設計者が抱いている日常社会の偏見を永続させ、再生産することもある。本講演では、このような人型ロボットと、ロボットの設計がセキュリティを含む他の産業に及ぼす影響について議論する。

北インドのウッタラカンド地方の若者に学ぶ生き方(講演・ドキュメンタリー映画上映)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月8日(水)16:00-17:30

北インドのウッタラカンド地方において、環境と社会経済的危機に対応し、日常的に社会活動を行いながら、若者たちがどのように生き延びようとしているのか紹介します。Jane Dyson准教授によるドキュメンタリー映画「Spirit」も上映します。

英国のインド太平洋地域への傾斜―2022年に何が変わったのか?(講演者:Alastair MORGAN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月3日(金)16:00-17:30

2021年、英国政府は防衛、安全保障、開発、外交政策における「インド太平洋への傾斜」を発表した。本講演では、英国の政治的混乱や経済的困難、ロシアのウクライナ侵攻の影響などが展開した2022年の変化を検討する。


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