コロナ危機への分野横断的な視線:いま東京カレッジでは | 東京カレッジ

コロナ危機への分野横断的な視線:いま東京カレッジでは

2020.04.17
FACIUS Michael
FACIUS Michael

東京カレッジ特任助教。研究分野はグローバル・ヒストリーからみた日本・東アジア史。主な研究プロジェクト:「20世紀日本の近世観」。

Project Assistant Professor at Tokyo College. My main research area is Japanese and East Asian history in a global historical perspective. Current research project: "Beyond Edo. Transnational narratives of the Early Modern in 20th Century Japan."

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皆様と同じく、コロナ危機とウイルス蔓延防止を目指す厳格な施策の導入によって、東京カレッジの活動はおおきな影響を受けています。すでに準備の整っていた講演会がいくつも中止になりました。大学の諸施設へのアクセスは制限されており、国境封鎖のため出張から帰国できなくなったメンバーさえいます。4月 1日より着任の新メンバーも、まだ他の構成員と直接対面できないままです。

とはいえ、私たちは、市民として、学者として、コロナ危機をめぐる知的問題と社会的課題を考えることまでやめてしまったのではありません。逆に、これらの問題が、東京カレッジのゴールである「地球と人類社会の未来に貢献する『知の協創の世界拠点』となること」と密接に結びついているということに気付いています。ここでは、物理学から歴史学に至るさまざまな分野の学者が世界中から集まって研究をすすめています。もともとの研究テーマは異なっているとしても、皆がコロナをめぐる対話を続けるのは大切だと考えているのです。

コロナ危機はまさにグローバルで公共的な保健危機に他ならず、その全貌を捉え解決を図るには分野横断的なアプローチが要求されます。解決策の前提・中心に、医学・疫学・薬学といった分野があるのは言うまでもないでしょう。ウイルスの特徴とその人体への影響を正確に把握し、治療法とワクチンを開発しない限り危機が収束するはずはありません。しかし、この危機は同時に政治・経済・社会・文化的な条件とも複雑に絡み合っています。

科学研究にどんな資金をどれだけ投じるのか、どのように現在のコロナ蔓延を防止し同時に社会経済へのネガティブな影響を防ぐのか、どのような施策が効果的に市民の理解と協力を得られるのか、その市民である私たちは何をどのように優先すべきなのか、検査・治療のための仕組みや設備を直ちにそして将来に向けてどう整備すべきか、さらには、次のパンデミックに備え、個人、地域、国、世界はそれぞれどのような対策を心がけるべきか等々。私たちは多岐に亘る膨大な問題群に取り組まねばなりません。その際に求められているのは、包括的で分野横断的な視線です。

東京カレッジは医学研究者もいない小さな組織です。しかし、現在急務であるこのような包括的で分野横断的なアプローチを、私たちなりに実現したいと努力しています。ブログにはすでに先月来コロナ関連の投稿(「新型コロナ感染のデータを読む」「Covid-19緊急事態に関する4人のイタリアの哲学者のコメント」等)が発表されました。増える一方の死者の数とパンデミックが引き起こす苦痛の規模に言葉を失う中で、私たちはメンバー間でのさらなる系統的・組織的な情報・意見交換を促すべく、昨日コロナの諸問題を考えるフォーラムをスタートさせました。

ウイルスに関連することすべてに不確かさが付きまとっています。例えば、ウイルスとその治療法についての医学的知見、感染者数・死亡数の統計データ、感染を食い止めるために最良の政治的施策、そしてコロナ後の世界の姿など、すべてが不確実で曖昧です。私たちはこのことを十分に認識しつつ、あるいは認識しているからこそ、これからも継続的に情報・意見交換の場を設け、そのプロセスと知見をできるだけ頻繁にブログとして公開し、読者の皆様と共有してゆこうと考えています。

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