東京カレッジ講演会「世界の中の日本文学:芭蕉から多和田葉子まで」講師:デイヴィッド・ダムロッシュ - 東京カレッジ

東京カレッジ講演会「世界の中の日本文学:芭蕉から多和田葉子まで」講師:デイヴィッド・ダムロッシュ

日時:
2020.03.10 @ 16:30 – 19:00
2020-03-10T16:30:00+09:00
2020-03-10T19:00:00+09:00
終了しました
開催延期
開催日時 2020年3月10日(火)16:30-19:00
会場

東京大学・山上会館大会議室(本郷キャンパス)

申込方法 事前申込制(席数120。定員を超えた場合は立ち見となります)
言語 英語(日英同時通訳有)
要旨

世界文学論の旗手として知られるダムロッシュ教授が、日本文学を日本語・日本人の枠の中だけでなく、より広い世界との関係において読み、樋口一葉、芥川龍之介の世界文学との関係、芭蕉の外国における受容、そして現代の多和田葉子のグローバルな文学のありかたを具体的に論じます。

プログラム

[第一部]講演:デイヴィッド・ダムロッシュ

[第二部]シンポジウム「日本文学を世界に開く」デイヴィッド・ダムロッシュを囲んで:
武田将明(総合文化研究科准教授、英文学)、高木和子(人文社会系研究科教授、国文学)、ヴィクトリア・エシュバッハ=サボー(チュービンゲン大学教授・東京カレッジ特任教授、日本語日本文化研究)、中島隆博(東洋文化研究所教授、哲学)、司会:沼野充義(人文社会系研究科教授、スラヴ文学・現代文芸論)

シンポジウム趣旨:
ダムロッシュ教授は、日本文学の専門家ではないが、自身の世界文学論の立場から、日本文学を世界の中にどのように位置づけられるか、どのように読むことができるか、積極的に語ってきた。2020年3月に日本語訳が刊行される予定の著書『日本文学を世界に開く――ハーバード大学ダムロッシュ教授の東大講義』は、ダムロッシュ教授が2017年に東京大学で行った連続講義をもとにした日本オリジナル出版である。また今回の講演もその内容を発展させたものになっている。
 前近代から近代化、グローバル化といった歴史の流れの中で、日本文学を世界文学との関連のうちに論じたこの本の問題提起に応える形で、専門を異にする様々な文学・哲学・歴史研究者が著者を囲んで討論を行い、ダムロッシュ教授の世界文学論の日本文化研究への適用可能性について検討する。

講師プロフィール

ディヴィッド・ダムロッシュ:
ハーバード大学教授、同大比較文学科長、同大世界文学研究所創設者・所長。全米比較文学学会元会長。イェール大学にて博士号を取得、コロンビア大学(1980~2009年)を経て、現職。ロングマン『世界文学アンソロジー』(2004年、全6巻、編集主幹)等編著書多数。

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ
お問い合わせ tcevent@graffiti97.co.jp

Upcoming Events

開催予定のイベント

性暴力はなぜ繰り返されるのか:背後の社会規範を問う(講演者:大沢 真知子教授)

イベント予定共催/Joint Event講演会/Lecture

2025年1月21日(火)14:00-15:30

声を上げる被害者によって性被害の実態が明らかになりつつある。にもかかわらず性加害が繰り返されるのはなぜなのか。本講演では、2022年にNHKが実施した性暴力実態調査アンケートによって回収された38383件の被害者のデータを元に性被害者の実態を明らかにするとともに、日本社会には強姦神話が存在し、それによって被害者が責められるさらに苦しむという構造がある。背後には男女不平等社会をもたらす社会の男性規範があり、性加害をなくすためには、社会規範を問い直す必要がある。

不滅の知性とDNAに依存しない人類の台頭(講演者:Johan BJÖRKEGREN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2025年1月29日(水)15:00-16:30

約6万年前、人類がアフリカからの移住に成功した頃、ある変革が起こった。ホモ・サピエンスは、自然資源を巡る競争能力を根本的に変える重大なDNA変化を経験したと考えられる。この変化にとって重要だったのは、抽象的思考の獲得であった。そして今日、AIの発展により、ダーウィンの「適者生存」の原則から最終的に脱却する段階に差し掛かっている。我々はDNAへの依存から完全に解放されることで、さらには死すらも克服する方向へ急速に進化しつつある。

日常の「外交官」: 分断された世界で混沌をつながりに変える(講演者:Annelise RILES教授)

イベント予定講演会/Lecture

2025年2月13日(木)10:00-11:30

Annelise RILESは、新著『Everyday Ambassadors』で、私たちは今、リーダーシップが少数の手にあるのではなく、すべての人の手にあるエキサイティングな新世界秩序の瀬戸際にいると主張する。世界に今必要なのは、政治的、文化的違い、科学と宗教、芸術とテクノロジーの世界の間の橋渡し役であり、翻訳者、通訳者など、より多くの外交官であると提唱している。本講演では、RILES教授が、数十年にわたる法律と民族誌の研究をまとめ、誰もがどこにいても優れた外交官になるための 7 つの「行動」をまとめた著書について語る。

Previous Events

公開済みイベント

ブリュッセル効果への対応:日本企業はEU-AI法にどう備えるべきか

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)12:00-13:00

本ウェビナーでは、EU-AI法の概要と行動規範の策定における4つのワーキンググループ活動、さらに日本企業が特に留意すべき重要なポイントについて概説します。
EUの規制動向がもたらす「ブリュッセル効果」や日本への影響について理解を深める機会としてAI関連技術の開発・提供・流通に関わる企業、研究機関、開発コミュニティの参加者のご参加をお待ちしております。

発展途上国の環境問題:課税の役割とは?(講演者:Michael KEEN潮田フェロー)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月11日(水)10:30-12:00

多くの低所得国は深刻な環境問題に直面している。よって、社会のニーズと経済発展に資金を提供するための税収が喫緊の課題となっている。環境税は、その両方の目的を満たせるのか。この講義では、最近出版された書籍を参考にしながら、低所得国が直面する多くの環境問題のうち最も差し迫った問題(大気・土壌の質、廃棄物管理、森林破壊、渋滞、気候変動への適応など)を評価し、税制の改善がそれらの問題への対処と多額の税収の引き上げにおいて、どの程度役立つかについて検討する。

見えざるジェンダーから見えるジェンダーへ(講演者:岡田 トリシャ教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年12月6日(金)15:00-16:30

本講演では、1980年代から2000年代初頭までの日本におけるフィリピン人トランス女性またはトランスピネイの移住経緯(移住前・中・後)に関するエスノグラフィ研究を取り上げる。交差的不可視性(Purdie-Vaughns & Eibach, 2008)の枠組みから、フィリピン人トランス女性の移住体験を、トランスジェンダー移住者が現在直面している問題の事例と関連づける。また、ソーシャルメディアや映画が、いかにしてジェンダーの(不)可視性を示し、交渉する場を作り出しているのかについても探求する。

個人主義の国・日本(講演者:John LIE教授)

イベント予定講演会/Lecture

2024年11月26日(火)13:00-14:30

欧米諸国の「個人主義」に対して、日本社会は「集団主義」あるいは「集団志向」であると言われている。しかし、この説は間違いである。本講演では、通説に反論した後、この誤った考え方の系譜をたどり、その妥当性について論じる。


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