新刊紹介 Cintia Kozonoi VEZZANI等訳 The Bankruptcy by Júlia Lopes de Almeida - 東京カレッジ
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新刊紹介 Cintia Kozonoi VEZZANI等訳 The Bankruptcy by Júlia Lopes de Almeida

Cintia Kozonoi VEZZANIポストドクトラル・フェローは、SapienshipのシニアコンテンツR&DのJason Rhys PARRYとともに、ブラジルの作家Júlia Lopes de Almeidaによる小説の初の英訳版『The Bankruptcy』の共同翻訳者です。UCL Pressのウェブサイトにて本書のPDFがオープンアクセスでご覧になれます。

翻訳出版を記念し、10月26日に東京カレッジにてシンポジウムを開催します。本シンポジウムでは、担当翻訳者、編集者、また、研究者らが世界文学の現状とブラジルや日本、そして他国における翻訳が果たす役割を議論します。本イベントの詳細と参加登録については、こちらのリンクをご覧ください。

本書の概要:

奴隷制廃止後の旧共和国初期を舞台にした『The Bankruptcy』は、魅力、貧困、誘惑、金融投機など万華鏡のような背景の中で、裕福なコーヒー輸出業者の栄枯盛衰を描いています。この小説は、民主主義、女性の解放、社会における宗教の役割など、新しい考え方が渦巻くブラジルの激動の時代を読者に紹介します。なお、1901年に出版された本小説は、金融資本主義と家父長制に対する先見的な批評が、今日でも十分に通用するものだと言えるのではないでしょうか。

著者のJúlia Lopes de Almeidaは生前、19世紀ブラジルの最も重要な作家Machado de Assisとよく比較されます。ブラジル文学アカデミーの創設メンバー候補にも挙げられていましたが、性別の理由で除外されました。また、死後数十年間、Almeidaの作品はほとんど忘れ去られていました。英国PEN賞受賞作である本書はAlmeida初の英訳小説であり、小説への紹介と翻訳者の前書きも含み、ブラジルでの同氏の卓越した作品の再発見につながるでしょう。


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