林 香里 - 東京カレッジ
東京カレッジ

林 香里

所属 東京大学大学院情報学環 研究分野 メディア・ジャーナリズム研究 ウェブサイト http://www.hayashik.iii.u-tokyo.ac.jp/ https://www.medi-gender.com/ https://baiforum.jp/
01 研究概要

専門はジャーナリズム研究ですが、ここ数年は、とくにメディアのデジタル化とジャーナリズムの変容について、国際比較研究をしています。さらに、メディアにおける女性の地位、ならびにジェンダー表現のあり方も長年のテーマであり、2017年にはMeDi(メディア表現とダイバーシティを抜本的に検討する会)という研究者、活動家と実務家を結ぶグループをつくって、さまざまなワークショップを開催し、ジェンダー平等なメディアのあり方について研究し、問題提起をしています。加えて、デジタル情報化の未来に関わるAIのジェンダー平等にかなった社会的利用にも関心があり、2020年には本学とソフトバンクによるBeyond AI推進推進機構でAIと社会を考えるB’AI Global Forumを立ち上げ、さまざまな研究教育活動も始めました。これまでメディアに関していろいろなコメントをしてきましたが、現在は朝日新聞の論壇時評筆者を務めています。

02 経歴

1987年3月 南山大学外国語学部英米科卒業
1988年8月 ロイター通信東京支局勤務(~1991年)
1995年3月 東京大学大学院社会学研究科修士課程修了
1997年4月 東京大学社会情報研究所助手
2001年7月 東京大学人文社会研究科より博士号(社会情報学)取得
2002年10月 ドイツ・バンベルク大学研究員(フンボルト財団)
2004年3月 東京大学社会情報研究所助教授
2004年4月 (組織統合に伴い)東京大学情報学環准教授
2009年9月 米国ノースウェスタン大学客員研究員(安倍フェロー)
2016年4月 東京大学情報学環教授
2019年4月 東京大学総長特任補佐
2021年4月~東京大学理事・副学長(国際・ダイバーシティ担当)

03 研究業績

<単著>
『メディア不信 何が問われているのか』岩波新書、256頁、2017年11月22日。
『<オンナ・コドモ>のジャーナリズム -ケアの倫理とともに』 岩波書店、227頁、2011年1月27日 (第4回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞受賞(2013年))。

<編著>
林香里編『足をどかしてくれませんか。——メディアは女たちの声を届けているか』亜紀書房, 2019年.
林香里・谷岡理香編『テレビ報道職のワーク・ライフ・アンバランス 13局男女30人の聞き取り調査から』大月書店、285頁、2013年11月20日。
翻訳書

<近年の主要論文>
「政治システムとの強いリンクがもたらした構造的「右傾化」」小熊英二・樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』慶應義塾大学出版会、2020年、121-154頁.(田中瑛と共著)
「トランプ時代の米国メディア SNSの普及と伝統的ジャーナリズムの行方」矢口祐人編『東大塾 現代アメリカ講義 トランプのアメリカを読む』東京大学出版会、2020年、126-155頁。
「静かな国民 ネット時代における日本のジャーナリズムの行方」船橋洋一・G・ジョン・アイケンベリー編著『自由主義の危機 国際秩序と日本』東洋経済新報社、2020年、293-325頁。
“The Silent Public in a Liberal State: Challenges for Japan’s Journalism in the Age of the Internet.” In. The Crisis of Liberal Internationalism. Japan and the World Order. Edited by Yoichi Funabashi and G. John Ikenberry. Brookings Institution Press. Washington. D.C. 2020, pp. 325-358.
Boczkowski, P. J., F. Suenzo, E. Mitchelstein, N. Kligler-Vilenchik, K. Tenenboim-Weinblatt, K. Hayashi and M. Villi “From the barbecue to the sauna: A comparative account of the folding of media reception into the everyday life.” New Media & Society, 2021. DOI:10.1177/14614448211000314
「実名か匿名化か」の問いの罠 個人化する市民感覚との乖離 『Journalism』2020年7月号 朝日新聞社、58-65頁。
Mitchelstein, Eugenia, Pablo J Boczkowski, Keren Tenenboim-Weinblatt, Kaori Hayashi, Mikko Villi, and Neta Kligler-Vilenchik. 2020. “Incidentality on a continuum: A comparative conceptualization of incidental news consumption.” Journalism. peer-reviewed.
Okumura, N., Hayashi, K., Igarashi, K., & Tanaka, A. (2019). Japan’s media fails its watchdog role: Lessons learned and unlearned from the 2011 earthquake and the Fukushima disaster. Journalism. https://doi.org/10.1177/1464884919891270. peer-reviewed.
「建設的ジャーナリズムとは何か ネガティヴ性払拭へ 権力監視との共存必要」『Journalism』No.350, 2019年7月号、58-65頁, 朝日新聞社。清水麻子と共著。
「新聞紙の衰退にみる日本の「公共」の構造変容」『思想』2019年第4号 <公共II>、No.1140, 岩波書店.40-58.
Kaori Hayashi, “Sources of strength of Japanese mass newspapers and their future: an institutional analysis”, conference paper for the 67th Annual ICA (International Communication Association) conference in San Diego, U.S.A, 2017. peer-reviewed.
Hayashi, Kaori, “Culture of the Print Newspaper: The Decline of the Japanese Mass Press”, in Handbook of Japanese Media, Routledge, 2017 (in print)
Hayashi, Kaori, “A journalism of care”, In Rethinking Journalism Again. Societal Role and Public Relevance in a Digital Age. Edited by Chris Peters and Marcel Broersma, Routledge, 2016, 146-160.

04 受賞歴

アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨学生 (2002年)
第4回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞受賞(2013年)
安倍フェローシップ (2015-16年)


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