王 雯璐 - 東京カレッジ
東京カレッジ
特任研究員

王 雯璐

01 研究概要

16、17世紀の東アジア・ヨーロッパ間の関係に着目し、人と書物の移動や、翻訳の営みを通した思想文化の交流の歴史を研究している。現在の研究では、宣教師が中国語などの現地語で編纂した書物などを分析することで、彼らが現地の思想文化と対話しながらキリスト教の教義を翻訳してきた過程を考察している。今後の研究としては、アジア域内の宣教師やその書物の移動という横のつながりに注目して、人・書物の在来ネットワークがヨーロッパ思想文化のアジアでの受容にいかなる役割を果たしたのかを検討していきたい。

02 経歴

2020年4月― 東京大学東京カレッジ特任研究員
2020年3月 東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻博士課程(単位取得満期退学) 博士(2022年)
2014年6月 北京外国語大学海外漢学研究センター 比較文学・世界文学専攻修士課程修了
2011年6月 北京外国語大学 中国語言文学学科卒業

03 研究業績

【論文】
「マニラ刊行『無極天主正教真伝実録』(1593)の研究――同時代カトリック教理書との関連を中心として」、『日本中国学会報』、日本中国学会、第71集、2019年10月。106-120頁。
「漢訳教理問答『天主聖教啓蒙』の研究――明末天主教布教実態の一様相」、『中国−社会と文化』、中国社会文化学会、第33号、2018年7月。125-147頁。
「『天主実義』の初期刊本とその改訂をめぐって」、『或問』、近代東西言語文化接触研究会、第31号、2017年6月。63-70頁。中国語訳(修正有)「『天主実義』初期刊本の改訂問題」、楊慧玲、李真編『尋踪古今 問学中西――張西平教授七十華誕頌寿文集』、学苑出版社、2018年3月。2-11頁。

【その他】
「理文兼修の東アジア学――日本学者川原秀城インタビュー」、『国際漢学』、総第13期、外語教学與研究出版社、2017年12月。17-22頁。[中国語]


TOP