人新世におけるテクノダイバーシティの実現に向けて(講演者:Yuk HUI教授)
イベント予定講演会/Lecture2023年6月2日(金) 15:00 -16:30
人間活動によって支配された地質時代である「人新世」は、しばしば気候変動、生態系の危機、第6の絶滅期など、終末論的なものと結びつけられることがある。近年のデジタル技術の加速は、過去数世紀の歴史哲学の根幹をなす終末論的想像力をより強くした。そういった意味で、人新世は近代の問題として提起され、その結果、近代を克服する新たな運動が求められる。この運動は、Philippe Descola、Eduardo Vivieros de Castro、Bruno Latourなどの人類学者が、近代の自然概念を覆そうとする最近の取り組みと一致する。本講演では、このようなモダニティの行き詰まりを取り上げ、その対応策としてのテクノダイバーシティというものを紹介する。
世界環境デー「プラスチックの生と死、そしてその後:グローバルな視点から」
イベント予定シンポジウム/Symposium2023年6月5日(月)17:00-19:00
プラスチックは現代社会の私たちの生活に欠かせません。一方で、過剰で無計画なプラスチックの利用は、気候変動を引き起こす状況を悪化させ、海や陸、動物や人間の生命を脅かしています。このパネルでは、プラスチックが環境にもたらす化学の問題、廃棄されたプラスチックの処理に関わる人々の生活、小規模でローカルなプラスチックの再利用に関する科学と経済の課題、政策を調整する政府のメカニズム、マイクロプラスチックが動物や人間にもたらす様々な危険に焦点をあて議論します。
脱塩技術と再生可能エネルギーの組み合わせによる水供給促進(講演者:Alberto TIRAFERRI准教授)
イベント予定講演会/Lecture2023年6月13日(火) 10:30 - 12:00
気候変動、産業の発展、人口増加により水需要は世界中で高まり続けている。その結果、自然水源への負担を軽減するために、これまで使われてこなかった排水や塩分を含んだ水の利用を考える必要が出てきた。しかし、きれいな水をこれまで使われて来なかった水源から作ろうとすると、これまでにも増して多くのエネルギーが必要である。エネルギー需要は常に高いので、今後開発してゆくべき技術は、再生可能エネルギーの利用を前提とし、複雑さを避け、社会的・経済的な実用性を担保するような脱塩技術となるであろう。この講演では、これらの方法の課題と可能性、そして水とエネルギーの連関(水-エネルギーネクサス)について論じる。
言語による神経ネットワークの再配線(講演者:Alexandre POUGET教授)
イベント予定講演会/Lecture2023年6月16日(金)16:00-17:30
訓練なしで言語的指示に従ってタスクを実行する能力と、完全な文章で新しいタスクの解決策を説明する能力は、人間の基本的な認知能力です。この講演では、この二つの能力を持つニューラルモデルについて紹介します。
言語とヘルスケア ー貿易、人の移動、政策ディスコースを中心にー(講演者:大友瑠璃子)
イベント予定ワークショップ/Workshop講演会/Lecture2023年6月21日(水)9:00-10:00
経済連携協定を言語政策の一形態としてとらえることで、貿易政策が、言語(教育)政策や、国家、言語、移民、医療に重要な影響を及ぼす現代の言語問題を表していることを示します。
多国籍企業への課税に関するグローバルな合意 (講演者:Michael KEEN, 潮田フェロー)
講演会/Lecture2023年6月29日(木)16:00-17:30
世界は、多国籍企業への課税に関する100年にわたる協定の根本的な改革の瀬戸際に立たされている。その狙いは、企業による租税回避の範囲を減らし、政府間の国際的な租税競争に歯止めをかけるということである。しかし、具体的には何が変わるだろうか。提案された改革はその目的を達成できるのだろうか。
鳴鳥の音声コミュニケーションと、その脳のメカニズムを探る(講演者:Sarah WOOLLEY教授)
イベント予定講演会/Lecture2023年7月3日(月)15:00-16:30
鳴鳥は、後天的に習得した音声信号(歌声)を使って、自分の種やアイデンティティ、さらには感情をやりとりしています。鳴鳥たちは相互認識、パートナーの選択、長期的な社会的つながりの形成をおこなうために、歌声をどのように解読しているのでしょうか? 音声コミュニケーションの神経活動を広く解き明かします。