伝統的な中国史学における「世界史」 - 東京カレッジ

伝統的な中国史学における「世界史」

日時:
2020.08.27 @ 17:00
2020-08-27T17:00:00+09:00
2020-08-27T17:15:00+09:00
伝統的な中国史学における「世界史」

録画動画はこちらから視聴いただけます。

講演(中国語、日本語字幕)

対談(中国語・日本語 逐次通訳付)

終了しました
YouTube
開催日時 2020年8月27日(木)17:00 より東京カレッジYouTubeチャンネルにて視聴可能
会場

東京カレッジYouTubeチャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCGI2NUAxXMyN8-Up3n4piaQ

講演:https://youtu.be/L9Zs5st4K-c

対談:https://youtu.be/rvX5G0vaYOI

言語 講演(中国語、日本語字幕) 対談 (中国語・日本語 逐次通訳付)
要旨

この講演では、中国の伝統的な史学において、世界がどのように認識され、世界史がどのように語られていたのかについて議論する。『史記』が紀元前2世紀に成立して以来、中国では「中央王朝を中心とし、周辺四裔を附庸とする」世界の見方および世界史の語り方が形成された。この後二千年余りの過程で、変化をもたらしうる三つの契機があったが、結局変化は実現されなかった。しかし、19世紀半ばの西潮東漸以後、この伝統的な史学は根底から揺らぎ始めた。新しい世界認識や世界史は歴史教科書に取り入れられ、やがて新しい常識となり、伝統的な史学におけるそれらに取って代わった。

プログラム

【講演】伝統的な中国史学における「世界史」 講師:葛兆光(東京カレッジ招聘教員・復旦大学・文史研究院教授)

【対談】葛兆光 × 大塚修(総合文化研究科准教授)

 

講師プロフィール

葛兆光: 1984年北京大学大学院修士課程 (古典文献学)修了、1992年に清華大学教授(歴史学)、2006年に復旦大学特別招聘教授。京都大学(1998年)、東京大学(2015年)、プリンストン大学(2011~2013年)、シカゴ大学(2015年)客任教授。東アジア、中国の思想史・文化史・宗教史を研究。

大塚修:東京大学大学院総合文化研究科准教授。2012年東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。専門は中東イスラーム地域史。伝統的な歴史叙述やその受容・継承の在り方を分析対象としながら、中東地域の歴史と文化を研究している。著書に『普遍史の変貌』(名古屋大学出版会、2017年)がある。

主催 東京大学国際高等研究所東京カレッジ

Upcoming Events

開催予定のイベント

国際女性デー シンポジウム「国境を越えたフェミニスト運動を考える」

イベント予定シンポジウム/Symposium

2023年3月31日(金)10:00-11:30

東京カレッジのジェンダー・セクシュアリティ・アイデンティティ共同研究会は、国際女性デーにちなんだシンポジウムを開催します。「女性、生命、自由」というスローガンを掲げたイランの抗議運動に注目し、女性を中心とした運動がどのように翻訳・伝播・理解され、国境を超えた連帯を促進しうるかを考察します。

「動物、災害、山――環境人文学再考」(講演者:ハルオ・シラネ教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年4月4日(火)16:00-17:30

日本文化において、人間と動物、人間と山とは、どのような関係にあるでしょうか。そして自然災害との関係は?これらの複雑な関係は、現代にふさわしい環境倫理を生み出すためにどのように役立てることができるでしょうか。本講演会では、人間と人間以外のものの関係を再考する手段として、「災害•アフターライフ•再生 のエコロジー」を提唱するシラネ教授からお話を伺います。

日本の言語政策と学習者アイデンティティの前提 ― 日本人のための英語教育、外国人のための日本語教育の推進 ― (講演者:橋本佳代子)

イベント予定ワークショップ/Workshop講演会/Lecture

2023年4月17日(月) 13:30-14:30

日本の言語政策は、国家、言語、国民が不可分であるという考え方が根底にあり、この考え方が日本の言語政策を形成してきました。本講演では、橋本佳代子博士(クイーンズランド大学)が、日本のいわゆる「英語教育」において学習者のアイデンティティがどのように構築されてきたか、また、海外での日本語教育推進において学習者のアイデンティティがどのように想定されてきたかを論じます。

外来語と日本人のアイデンティティ:「氾濫」と「吸収」?

イベント予定講演会/Lecture

2023年4月19日(水) 17:00 -18:30

日本語は外来語の氾濫によって乱れているのか。それとも、外国語から新しい語彙を吸収することで豊かになっているのか。現代の日本では、そんな議論をよく耳にする。本書『Loanwords and Japanese Identity: Inundating or Absorbed?』は、日本語の語彙借用についての議論を分析することで、言語とアイデンティティの関係を探る。

Previous Events

公開済みイベント

染色体の機能と維持 ー 生命の継承のしくみ(講演者:Camilla BJÖRKEGREN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年3月10日(金)16:00-17:30

DNAのらせん構造に着目し研究を行うBjörkegren教授を招き、染色体DNAの構造と機能、そしてこれらの特徴が細胞の増殖にどのような影響を与えるのかについてお話を伺います。遺伝物質が二本鎖のらせん状に構成されていることによって、私たちの細胞のアイデンティティと発達がどのように方向づけられるのか、また、本当にこれらによって方向づけられているのかという点についても議論します。

アジアと世界の男性像:社会言語学からみた変遷(講演者:平本美恵准教授)

イベント予定ワークショップ/Workshop講演会/Lecture

2023年3月1日(水)15:00-16:00

本発表では、社会言語学の視点からみて、アジアとそれ以外の地域における男性像の変遷を探究します。社会文化的なステレオタイプと男性性イデオロギーとの関係、また、ジャンル、スタイル、メディアがこれらの概念に対する私たちの理解をどのように形成しているのかに焦点を当てます。Aghaの著作を中心に、メディア化 (mediatization)とレジスター化(enregisterment)の理論的概念、および人物像(figures of personhood)の概念を用いて、3つのケーススタディを分析します。

メアリ・ウルストンクラフト フランス革命の歴史を見つめ、書き残した英国の女性思想家(講演者:Pierre SERNA教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月27日(月)16:00-17:30

一般的には、フランケンシュタインを近代化の怪物的なメタファーとして描いたメアリ・シェリーの方が、母親のメアリ・ウルストンクラフトよりも馴染みがあるだろう。また、メアリ・シェリーを出産してウルストンクラフトが亡くなったことは、歴史家には知られている。しかし、研究者の間では、ウルストンクラフトの2つの著書、エドマンド・バークに対する返答としての『人間の権利の擁護』と『女性の権利の擁護』は、極めて高い評価を得ている。本講演では、長いあいだ日の目を見ることが無かったウルストンクラフトのもう1つの著書、『フランス革命の歴史的・道徳的見解とそれがヨーロッパにもたらした影響』を紹介する。これはフランス革命に関する最初の偉大な歴史書の一つであり、新たな叙述と歴史的認識論を提起している貴重な本である。

日本と感性ロボット:性別と感情をプログラミングするとは?(講演者:Jennifer ROBERTSON教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月20日(月)16:00-17:30

日本における多くの人型ロボットは、アルゴリズム構築のために大幅に単純化され、ステレオタイプ化された性別、感情、性質を備えつけられている。多数のアルゴリズムで構成される人工知能(AI)は、パターン認識のタスクには有用だが、人間の設計者が抱いている日常社会の偏見を永続させ、再生産することもある。本講演では、このような人型ロボットと、ロボットの設計がセキュリティを含む他の産業に及ぼす影響について議論する。

北インドのウッタラカンド地方の若者に学ぶ生き方(講演・ドキュメンタリー映画上映)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月8日(水)16:00-17:30

北インドのウッタラカンド地方において、環境と社会経済的危機に対応し、日常的に社会活動を行いながら、若者たちがどのように生き延びようとしているのか紹介します。Jane Dyson准教授によるドキュメンタリー映画「Spirit」も上映します。

英国のインド太平洋地域への傾斜―2022年に何が変わったのか?(講演者:Alastair MORGAN教授)

イベント予定講演会/Lecture

2023年2月3日(金)16:00-17:30

2021年、英国政府は防衛、安全保障、開発、外交政策における「インド太平洋への傾斜」を発表した。本講演では、英国の政治的混乱や経済的困難、ロシアのウクライナ侵攻の影響などが展開した2022年の変化を検討する。


TOP