新刊紹介 韓正美教授『変貌する日本の神々―古代・中世文芸を中心に―』 - 東京カレッジ
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新刊紹介 韓正美教授『変貌する日本の神々―古代・中世文芸を中心に―』

東京カレッジに訪問研究員として滞在している韓正美 (ハン・ジョンミ)教授の著作、『変貌する日本の神々―古代・中世文芸を中心に―』(武蔵野書院)が12月21日に刊行されました。

<概要>
日本の古典文芸テクストの中には、様々な形で神仏への信仰が描かれている。これまで各文芸テクストにおける神々の研究は進められてきたが、古代から中世までの時間軸を中心に設定したうえで、文芸テクストに現れた神々の変貌の問題について取り上げるものは殆んどなかった。そこで、本書『変貌する日本の神々―古代・中世文芸を中心に―』は、日本古典文学研究と日本宗教研究という学際的立場に立ち、古代から中世までの文芸テクストの中で、神々の性格や当時の社会における神祇信仰の意味がどのように描写されているのか、また、古典文芸における神祇信仰の役割とはどのようなものか、それがどのように変貌していくのかを考察したものである。したがって、これまでの研究において殆んど取り上げられてこなかった文芸テクストと神々の変貌を中心に、神々への信仰が文芸の構造や手法として、いかに取り入れられているかということを考察し、具体的にはどのように変貌していくかを明らかにするところに研究の意義があると思われる。

具体的な研究方法としては、全体的・通時的な視点から文芸テクストに現れた、古代から中世まで持続・変貌する神々の様相を解明することに焦点を合わせつつ、その中でも特に、その変貌の様相が確認できる資料を収集・集合・整理し、これまで行われてきた研究成果を検討し、これに基づいて〈住吉神の変貌〉〈賀茂神の変貌〉〈伊勢神の変貌〉〈八幡神の変貌〉〈春日神の変貌〉〈天神の変貌〉の六編に分けて考察した。


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