Shannon WELCH - 東京カレッジ
東京カレッジ
特任研究員

Shannon WELCH

01 研究概要

日本帝国主義の文脈における日系ブラジル文学を調査し、太平洋横断的研究の脱植民地化の批判をラテンアメリカまで広げた研究を行っている。特に、日系移民の文学テキストが、20世紀初頭の日本国家によるブラジルへの移民の管理と、同時期の東アジアおよび太平洋地域における植民地化の間の連続性をどのように指摘しているかについて注目している。これら2つの帝国拡張主義の関係にも関わらず、既存の学問分野(特に従来の地域研究において)は、日本の移民と帝国主義の繋がりについて見落とす傾向にあった。そこで、博士論文『Transpacific Anomalies and Alterities: Decolonial Possibilities through Japanese Brazil Literature』では、脱植民地フェミニストの視点から20世紀の日系ブラジル人の散文小説を読み、日本帝国主義の遺産と関連する太平洋の覇権的権力関係を批判した。これまで周縁化されてきた視点で語られた物語に着目し、ブラジルにおける日本人移民主導の植民地主義の内部構造と、人種資本主義やヘテロ家父長制などの他の支配構造との関わりについても知見を深めている。また、研究を人種、ジェンダー、セクシュアリティ、および帝国主義の問題にも応用し、倫理的で非覇権的な代替としての社会関係を構想し、大西洋地域における植民地主義からの解放に向けて取り組む方法として活用することを目指している。

02 経歴

2022年12月 カリフォルニア大学サンディエゴ校 文学(Critical Gender Studiesを副専攻) 博士

2016年6月 ダートマス大学 比較文学 修士課程修了

2013年6月ビラノバ大学 英語及びスペイン語 学士

03 研究業績

“Belonging without Borders: Japanese Brazilian Stories of Diasporic Return without a ‘Homecoming.’”Verge: Studies in Global Asias 9.1 (Spring 2023), edited by Tina Chen. (forthcoming).

04.受賞歴など

2020年 神戸専門学校法人日本教育交流大学院フェローシップ

2019年  東芝国際交流フェローシップ 大学間日本語研究センター

2018年 日本財団 大学共同利用センター留学生 

2018年 カリフォルニア大学サンディエゴ校ジョセフ・ナイマン日本研究フェローシップ

2014年 フルブライト ブラジル英語教育アシスタント フェローシップ、マラニョン連邦大学

 


TOP