相田卓三卓越教授らのグループ 世界初・理論上は可能とされた“らせん構造”を実現
東京大学高等研究所東京カレッジの相田卓三卓越教授が参加する共同研究グループは、理論的には可能とされながらも、これまではっきりとは確認できていなかった人工アミノ酸由来の“α ヘリックス構造”を、初めて結晶構造として明らかにすることに成功しました。この成果は、分子が自己組織化してナノサイズのチューブ構造を作るという新しい材料設計の可能性を示すとともに、通常は不安定で安定に取り出すことが不可能な化学種をネットワーク構造(金属–有機構造体(MOF:Metal–Organic Framework)[5])に埋め込むことで安定化できるという新たなコンセプトを提示するものです。
本研究は、化学雑誌『Journal of the American Chemical Society』の掲載に先立ち、オンライン版に5月15日に掲載されました。
論文情報
- タイトル:An α-Helically Folded α-Aminoisobutyric Acid (Aib) Oligomer that Assembles into a Metal–Peptide Superhelical Nanotube
- 著者: Wei Yuan, Jenny Pirillo, Yuh Hijikata, Takuzo Aida, Hiroshi Sato
- 掲載雑誌:Journal of the American Chemical Society
- DOI:https://doi.org/10.1021/jacs.5c03534
本研究は科学技術振興機構(JST)創発的研究支援事業(JPMJFR221T)、および 日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業(18H05260、20H02705、24K01463)の支援により行われました。
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