TOKYO COLLEGE Booklet Series 8
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5 専門家が社会との間にどのような信頼ある関係を築くかというのは、社会からの支援で専門的な研究が行われている今日、非常に重要な問題であると思っています。本シンポジウムでは具体的な事例として、現在の最大の懸念であるCOVID-19と、10年前に日本が非常に深刻な経験をした地震を取り上げます。 まず専門家の立場から、COVID-19を含む医学関係者のご努力や地震予知の専門家のご苦労、それから社会との関係を捉えて課題やその難しさを理解したいと思います。さらには科学技術社会論の立場から、専門家の意見の開陳や情報発信の在り方を取り上げ、社会と専門家のより良い関係を模索する緒としたいと思っています。 まず、専門家の立場からご意見を開陳していただこうと思います。最初は南学正臣先生です。南学先生は東京大学医学系研究科副研究科長でいらっしゃいます。腎臓・内分泌内科教授で、アジア太平洋腎臓学会理事長、日本内科学会副理事長でもあります。臨床のご経験も大変豊富で、今日も臨床の合間を縫って東大病院からの参加です。本日は東日本大震災、それから新型コロナにおけるご経験も踏まえ、ご意見をご開陳いただきます。

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