TOKYO COLLEGE Booklet Series 8
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27 スが存在可能であり、大きなグループボイスと小さなブループボイスというような関係性があってもいいのではないでしょうか。 一分野を越える、他分野の情報提供の中で、どこに線を引くか、つまり政治を行うかはまさに民主主義の議論を経る必要があると思います。 3. 科科学学的的助助言言のの類類型型 では、グループボイスの提案がこれまでの議論のどこに位置付けられるのでしょうか。Roger A. Pielkeの分類で見てみましょう。政策提言を行う会議の類型として、政府の最高レベルの会議、官邸や各省庁で行われるような審議会や研究会や懇談会、学術会議などのアカデミーがあり、学協会はアカデミーの部類に入ります。アカデミーは多様な分野の研究者が集合してより深い議論がされることに価値があります。一方で議論をまとめるには時間がかかります。そこで私は、同じ分野の専門家が集まり一程の迅速性をもって対処できる学協会に注目しています。 また、科学的助言者は、科学観がリニア・モデル(科学的知見を共有する学協会やコミュニティレベルで意見を取りまとめるモデル)か、ステークホルダー・モデル(もう少し分野横断的に意見を取りまとめるモデル)か、政策のオプションが政府側にあるか、専門家が提示するかによって、純粋科学者(pure scientist)、科学知識の提供者(science arbiter)、誠実なあっせん者(honest broker of policy options)、主義主張者(issue advocate)の4類型に分けられます。私が申し上げているグループボイスは、科学知識の提供者と誠実なあっせん者の両方にわたる形で位置付けられると考えています。

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