TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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53 も生み出せません。サイバー空間についてもコモンズとしてきちんと意識して守り、鍛え上げていくことが必要です。そのようなアクションを、東大が世界に対して仕掛けていくために、8月1日にグローバル・コモンズ・センターを立ち上げることにしました。 そんな活動ができる大学はすごいかもしれません。しかし、これは東大だけが行うべきことではなくて、学問という人類共通の普遍的なものを追究するという中で、そういう共感し合う国際的なコミュニティによって大きな力を引き出せるのだと思います。そのときに、信頼あるデータを皆で活用できる社会をつくることが第一歩です。データに信頼を与えるために大学ができることは、やはり学問をベースにしたものだと思います。学問に対する誠実さや専門家としてのプロフェッショナリズムをきちんと追究する中で信頼を高めていって、それを多くの人たちが共有し、データを有効な形で使えるような空間をつくっていくべきです。それによって、かけがえのない地球を守れるような、SDGsで狙っているようないろいろなことがより加速するようになるでしょう。 そういう意味では、サイバー空間のテクノロジーを広く使うことが、好むと好まざるにかかわらず、ここ数カ月で加速しているので、その本質をうまく捉えることによって、いい方向に向かう可能性は高まったと感じています。ただし、ぼーっとしていてもそこには向かわないので、ある場面では大学が意思を明確に示し、行動していくことも重要ではないかと思います。 今日の議論は、そういった考えを整理していく上でも極めて有効で、興奮に満ちた議論でした。オンラインの視聴者にもかなりの部分が共有できたのではないかと期待しています。東京カレッジの活動をこれからますます大学としても盛り立てて、支えていかなければならないと思いますし、

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