TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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43 その経験を踏まえて、私たちは近代的な都市に住んでいて、今はコロナ禍になっているとすれば、それを越えた次の手を私たちは打たなければならないのではないかと思います。先ほど申し上げたように、私達はバーチャルとリアルの融合の中で、インクルーシブな多様性が実現できるかもしれない時代にいます。インクルーシブな多様性の先に、犠牲を強いることなく安全を手にするということを、私たちはこれから示していかなければならないのではないか、それがコロナ禍の教訓になっていくのではないかと思います。 羽羽田田 それでは、もう一つの大きな質問をしていただけますか。 Baldari コロナ危機を乗り越えるために、大学における二つのコラボレーションの可能性について質問したいと思います。一つは、共同研究を通した世界との技術的なコラボレーションです。各セッションで世界とのコラボレーションの必要性を説いた先生が多くいらっしゃいました。大学は国際的な共同研究に適した場所だと思います。実際、幾つかのフォーラムや大学では、国際的な共同研究やデータの共有が進んでいますが、国家間では進みにくいとおっしゃった先生もいました。大学ではパンデミックや気候変動といった世界共通の課題に対して、国家の枠組みを越えた国際的な共同研究の試みを行い、答えを出すことはできるでしょうか。 もう一つは、分野を越えた専門家のコラボレーションです。今まさに、パンデミックという共通課題について各分野を専門とする皆さんに集まっていただいています。共通課題を乗り越える手段として、分野を越えた専門家同士の共同研究は必要でしょうか。パンデミックを越えるため、世界的なコラボレーション、分野を横断したコラボレーションの具体的な可能性や方法について教えてください。

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