TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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30 南南学学 知らない間に感染していて、症状が出ずに済んでいるけれども他の人に感染させてしまう人たちがキャリアで、無症候だったけれども後に病気を発症した場合は潜伏期間と言い換えます。ウイルスを体内に持っていて、症状が出ない人のことを無症候者といいますが、ウイルスが他の人に伝搬する可能性はあります。高齢者は症状が出やすいので分かりやすいですが、若者は頑健でなかなか症状が出ないため、そういう方が元気なままウイルスをまくことで、高齢者に大きな影響を与えるのではないかということが心配されています。 赤赤藤藤 続いて、横張先生にお伺いします。「暮らしと社会」のセッションで、今回のコロナ危機により、これまで以上に多様性を認める社会を再考する機会が与えられたとおっしゃっていたのがとても印象に残りました。確かに程度の違いはありますが、在宅勤務が増える中で、満員電車に乗ってまで通勤する必要があるかとか、人口過密地域に住む必要があるかなど、働き方や暮らし方の見直しが広がっていると思います。また、ソーシャルディスタンスを取る一方で、オンラインでの人と人とのつながりが増えました。 そこで質問なのですが、フェース・トゥ・フェースの価値はどう再定義されているのでしょうか。ウィズコロナまたはポストコロナ社会を構築する上で、多様性を認める社会をつくるインフラにフェース・トゥ・フェースがどのような形で組み込まれるのでしょうか。 横横張張 私たちは、大学も含めてバーチャルな世界に非常にスムーズに移行できたと言われることが最近多いと思うのです。その背景には、確かに最近のデジタル技術の非常に急速な発展・普及がありました。もしコロナ禍が5年前に起きていたとしたら、恐らくわれわれは大学の講義も完全にお手上げになっていたのではないかと思うぐらい、この間の技術進歩は著しく、その恩恵は本当に大きなものがあると思います。

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