TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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23 2点目に、これだけ大きな危機を経験した中で、社会がいろいろな形でつながっていることが見えてきました。パンデミックによって文化が消えていってしまうとは、特に日本ではあまり思っていなかったわけです。SDGsを進める中で、私は一つのゴールに貢献しているというようなブツ切りの議論の風潮がありましたが、もっとパートナーシップを重視して、情報共有に重きを置いてSDGsに関わる必要があります。 3点目に、コロナ危機の中でわれわれは理不尽さや不公平さを感じています。ある特定の人々に感染が集中したり、感染対策を取ろうとすると特定の人が不利益を被ったりすることが起きたからです。それから、コロナという見えない相手に対してどうしたらいいかという意見が異なる人が出てきて、それが社会の分断につながっています。国のレベルでも国家主義、自国主義が台頭していますが、そういうときに大事にしなければならないのは、それこそSDGsで言ってきた「No one will be left behind」、つまり利他性、公共性の理念だろうと思います。 もちろん理念的な議論だけしていても駄目なので、もっと具体的な政策や制度設計に落とし込むことが必要ですが、われわれはそこまでたどり着きませんでした。ただ、柔軟な学びや日常に埋め込まれたセーフティネットなど、議論の指針は出てきたと思っています。 シシンンポポジジウウムム⑥⑥「「情情報報活活用用とと管管理理」」 渡渡部部 俊俊也也((大大学学執執行行役役・・副副学学長長、、未未来来ビビジジョョンン研研究究セセンンタターー教教授授)) 私たちのセッションでは、データに集中して議論しました。背景として二つのことがあります。一つは、新型コロナウイルスの感染予防と経済的活動を両立させる、あるいはコンフリクトを緩和するために、データの利

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