TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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21 シシンンポポジジウウムム⑤⑤「「SDGs」」 味味埜埜 俊俊((東東京京カカレレッッジジ特特任任教教授授)) 私たちは、ポストコロナ社会とSDGsをテーマに議論しました。2015年に国連が提唱したSDGs(Sustainable Development Goals)は、2030年までに人類が達成しなければならない目標を17のゴールにまとめたもので、社会の脆弱性を課題として取り上げ、その克服を目指してきました。 コロナ危機はその社会の脆弱な部分を突いてきたといわれていて、それがパンデミックという状態にまで至ったので、これまでSDGsが示してきた将来像とポストコロナ社会を重ね合わせて考えることには意味があると思います。そこで、SDGsのこれまでの経験をポストコロナ社会にどう生かしていくかという視点と、われわれはこれだけ大きな危機を経験しているのですから、そこで得られた警鐘をSDGsの実施にどう生かしていくかという視点の両方から議論しました。 まず、国際連合大学上級副学長の沖大幹先生には、国連の立場からお話しいただきました。「COVID-19によって2030年までのSDGs達成は瀬戸際だと国連は考えているけれども、新型コロナウイルスをSDGs未達の言い訳にしてはならない、両方の達成が重要だ」とおっしゃいました。それから、「グローバル経済下で世界がつながっているので、各国は一蓮托生であり、一致団結することが得策である。感染症が残っている国があれば、それは世界全体のリスクになるのだから、世界全体が感染症に対して強靭になれ」、さらに「例えばワクチンの開発が期待されているが、本当に全世界に公平に提供できるかということが、国連にとっても世界の国々にとっても試練だ」とも話されました。 教育学研究科准教授の北村友人先生には、教育学の立場からお話しいただきました。SDGsではゴール4が教育に関わるのですが、COVID-19に

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