TOKYO COLLEGE Booklet Series 7
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15 きるか。一方、こうしたことを克服していく上では社会経済システム全体のリ・デザインが必要ですが、今回のコロナ禍はおそらく「ポスト」への移行前の「ウィズ」の期間が長く続くので、もしかするとリ・デザインを行う時間的猶予があるかもしれない。最後には、多様性は確かに大事だけれども、それは決してあるがままということではなくて、多様性を鍛えるたような発想も必要だ。こうした指摘がありました。 第3点として、インクルーシブな社会の実現に向けて、これから何が課題になっていくか、何をすべきかを議論しました。大きくは4点です。一つ目に、これまで人類は危機に直面するたびにエクスクルーシブなディスタンシングにより克服しようとしてきたことをどうやって越えていけばいいかということ。二つ目に、戦後社会が「暮らす」ということを「働く」「子育てする」「休憩する・寝る」ことだけに単純化してしまったのを、もう一度多様な要素を持つ暮らしに戻す必要があること。三つ目に、九州では今も大変な水害が起きていますが、こうした変動がさらに激甚化していく中で、従来のような硬直的な計画ではなく、短期・長期の両面でよりアジャイルな計画が必要ではないかということ。四つ目には、気候変動などに伴うより深刻な脅威が私たちに襲いかかろうとしている中で、今回の経験をより深刻な脅威に対するレッスンとして位置付けるという観点も必要ではないかということ。こうした課題を克服した先に、インクルーシブな社会が展望できるのではないかとの議論をしました。 シシンンポポジジウウムム③③「「価価値値」」 中中島島 隆隆博博((東東洋洋文文化化研研究究所所教教授授)) 本シンポジウムは東アジア藝文書院との共催ですが、東アジア藝文書院の前院長は羽田先生で、現院長は私が務めています。ですので、より国際

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