TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
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37 必要な範囲で本人関与も確保する。本人関与が不十分なところは第三者組織によってしっかりとしたチェックを行う。そういった複合的な議論が両側から求められるのではないかと思っています。 渡渡部部 そういう意味では「データvs感染症対策」という話になって、車の両輪として考えるのが多分正しいと思いました。この手の話は、ブレーキとアクセルのような対立軸になると結局どちらにも進みません。実際に最近もさまざまなサービスで、法令的に問題がなくても炎上が起きて進まないということがあるので、全てにいえると思いますが、車の両輪という捉え方が正しいと感じました。 ニューノーマルというキーワードが最近よく使われるようになってきましたが、コロナ感染症拡大が社会や経済にきっと元に戻らないような影響を与えるだろうという客観的な、それこそフォアキャストのような観点でいわれるときもありますし、宍戸先生が指摘されたように、本来あるべき姿のSociety5.0やデータ利活用社会が加速していくのだから、正しい姿に早くたどり着くための姿としてニューノーマルという言葉の捉え方もあると思います。 現実にこの数カ月間で、ニューノーマルという姿が何か見えてきたでしょうか。あるいは、その兆しや方向性、そしてニューノーマルにはいいニューノーマルも悪いニューノーマルもあります。先ほどの話にもあったように、パーソナルデータの取り扱いについてかなり過酷な状況も生まれ得るわけですが、これは悪い意味のニューノーマルです。ニューノーマルを今後良い方向にしていくためには何が必要なのでしょうか。 大大江江 必ずしもデータという切り口だけではないかもしれませんが、医療の世界ではすごく見えてきたものがあると思うのです。やはり非常に大きいのは、オンライン診療だと思います。従来は患者が医療機関に足を運び、

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