TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
32/50

30 十分できない結果、普及の障害にもなりかねないわけです。利用者がアプリを入れるメリットとして、当初はPCR検査を優先的に受けられるという議論もありましたけれども、必ずしも今のところ表に立てて言われているようではないと承知しています。 3. 今今後後のの課課題題 まとめると、今後のデータ駆動型社会は当然、データ・フリー・フロー・ウィズトラスト(DFFT)が確保されなければならない社会ですけれども、そこにおいては企業から政府へ(B to G)、あるいは国と地方公共団体の間(G to G)のデータ流通が不可欠です。したがって、逆に公衆衛生の名目で、プライバシーなど気にしなくていいというような「プライバシーvs公衆衛生」という安易な図式に逃げ込まないで、われわれは丁寧な議論を積み重ねていく必要があると思います。そして、DFFTにおいて行政や医療サービスなどで利活用のメリットが国民に還元されるように社会を組んでいく必要があると思います。 また、データ流通の基礎となる個人情報保護法制の整備が必要だと思っています。現在、政府においては、民間における個人情報保護法、公的部門における行政機関個人情報保護法、独立行政法人等個人情報保護法といった縦割りの法制度をやめて、国の行政機関も民間の事業者も国立大学法人も、個人情報保護法の下で一つの傘の下に入れ、情報保護と利活用について個人情報保護委員会が全体を監視・監督するための法改正を検討しています。 さらには、G to Gの観点から見ると、国・地方間の個人情報保護法制が分かれていること(いわゆる2000個問題)の解消が求められるところ

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る