TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
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17 受診が抑制されていることで医療上の不利益につながらないように、遠隔診療などを提供していくことも重要ではないかと思います。 日本医学会連合は4月末に中長期的視点からの緊急提言を提出し、医療資源の充足度をリアルタイムに把握できるシステムや、パンデミック初期からの全症例登録体制とそれに基づく臨床病態像の把握を提案しています。また、医療資源の供給体制データの可視化も重要であると提言しています。医療資源は整備がだいぶできているようですが、特にパンデミック初期からの臨床病態の把握のためのデータ収集システムは、これから非常に重要ではないかと考えます。 ということで、未知の感染症に備えたデータ収集システムを普段から整備していくことが非常に重要であることが今回身をもって分かりました。それから、既にあるレセプトのシステムをうまく活用して、迅速にデータ解析につなげる視点をさらに持つべきだろうと考えます。それから、他の医療データとの連結解析が非常に重要なので、こういった基盤を整備することも重要です。また、患者数が増えると、医療機関におけるデータ入力のコストは非常に大きくなりますし、医療者の時間も割かれてしまうので、できる限り既存のシステムと標準的な方法でデータ収集ができるような接続性の確保も重要であることが分かりました。

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