TOKYO COLLEGE Booklet Series 6
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15 す。さらに40歳以上では、実施率は60%程度ですが、特定健診(メタボ健診)のデータも連結できるので、これからの疾患像、疾患の特性が解析しやすくなる長所があります。もちろん短所としては、保険適用でない検査の実施数が分からないことや、検査結果自体が不明なので陽性かどうかが分からないといったこともありますが、十分解決可能なことと考えます。 そこで現在(2020年7月時点)、私たちはレセプトデータを活用したリアルタイム・コロナ診療動態把握システムを提案しています。レセプトは診療報酬請求書です。従来は1カ月分をまとめて月末に処理し、翌月にデータを作って支払い側にオンライン送信をすることになっていますので、月締めです。それを匿名化して、厚労省のナショナルデータベースに蓄積しています。これを利用申請することで解析できるのですが、現在のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)は、匿名化して格納されるまでに2~3カ月かかりますし、案件ごとに個別に申請して承認を受けるプロセスを経るので、データを利用できるまでに約半年かかります。 レセプトを生成するシステムは各病院で動かせばよいだけなので、もしこのシステムを毎日あるいは週に1回、自動的に動かすようにして、出来上がったデータを送信し、それを集めて高速に解析できるようになると、日々あるいは週ごとに全国の医療機関におけるコロナ診療の状況、PCR検査の状況を把握できることになります。こうしてリアルタイムで動態把握をしていくことが、今後の第2波、第3波の早期予測・検知にもつながるでしょうし、新型インフルエンザなどの未知の感染症の分析にも非常に有効ではないかと思います。 既に病院の97%以上がレセプト情報の送信システムを持っているので、それをそのまま使うことができます。それから、既に解析システムが病院側にあるので、短時間で毎日実行すればいいだけで、導入コストもそれほどかかりません。また、検査結果自体はないわけですけれども、通常検査

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