TOKYO COLLEGE Booklet Series 5
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42 同じではなくて特別扱いされていることになり、その子には精神的なストレスをかけている部分があるのです。 では、私が先ほど話したようなシステムの転換に持っていくにはどうしたらいいかというと、教え方を変えるわけです。つまり、目が見える子がいてもいなくても分かるような教え方を考えることが、システムの転換への第一歩になると思います。もちろんそんなに単純な話ではなくて、資源を公正に配分することと組み合わせながらやっていくしかないのですが、単に資源を配分して、とにかく一緒の場所にいるから公正だといって終わるのではなく、先生が教え方そのものを変えたり、子どもたちも学び方そのものを変えたりしていくことが、柔軟な学びのシステム転換につながると思います。 今回のような事態が起こったときに、オンラインになることは転換の契機にはなると思うのです。たとえば、よくいわれる反転授業の形で、授業をオンラインで聴いておいて、教室に行ったら議論したり、探究的なことをしたり、作業したりして、今まで教室でやっていたことと各自が宿題などでやっていたことを反転させる。そうしたシステムの転換を行うことが、新たな学びへの一歩になっていくと思います。教育分野ではそうしたことをいろいろ細かいところでやりつつ、模索していると思います。 味味埜埜 福永先生はアプローチの仕方が他の先生と違って、個々のストーリーに対して耳を傾けることが大事だとおっしゃっていました。見えているデータだけではなく、裏にあって見えないものにも気に留めるというのは非常に大事なポイントではないかと思います。 その中で今日の結論として社会共通・共有基盤(the common)の重要性などいろいろなことをおっしゃっていて、一つ一つは非常に納得できる

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