TOKYO COLLEGE Booklet Series 5
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19 のでうまくいかないという理由もあるでしょうけれども、他のアウトブレークのリスクではどんな考え方で、どのような対策をしているのかという実態を参考にできれば、より効果的なパンデミック対策のヒントになるのではないかと私は思います。 5. 議議論論ののポポイインントト 今日の議論の大きなポイントとして、明らかに危ない人とそれほど危なくない人がいる中で、「みんなの問題だ」と伝えるのが果たして効果的なのかどうか、危ない人たちをもっと助けるべきだと伝えた方がむしろ良いのではないかと、私は悩んでいます。 それから、文化やスポーツ、芸術、エンタテイメント、祭り、知的好奇心の充足といった精神的な問題がSDGsにはあまり入っていません。考えてみると、それらはCOVID-19の自粛のときに不要不急として切り捨てられかけた要素です。そういう精神的な側面は、本当に切り捨てられてもいいのでしょうか。 そして、先ほども申しましたが、2030年に再びパンデミックが生じたとき、科学技術の進歩や社会の強靭化で影響はもっと小さくなるのか、あるいは効率重視の社会で格差も大きくなり、もっと脆弱になって、被害はむしろより大きくなっているのか。その点について皆さまと議論できたらと思います。

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