TOKYO COLLEGE Booklet Series 5
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16 に困っている人たちがいるにもかわらず、「その国の人は来ないでください。安全な国だけでやりますから」と言うのは無理だと考えられます。 今回、国境が封鎖されましたし、各国が外国人を排斥して自国中心主義になったかのような印象を持つ方もいるかもしれませんが、COVID-19はどういうときに感染拡大して、どんな型のウイルス遺伝子がどのように拡散していったか、どういう対策をすると効果がありそうかということをお互いに一生懸命共有して、10年前、20年前に起こったときよりは、よほど対策が進んでいるのではないかと私は思います。その点ではパートナーシップは非常に大事だし、ある程度はできているだろうと考えます。 私は「ポストコロナ」や「コロナを越えて」という言い方より、「オーバーコロナ」の方が良いと思っています。それ以前にコロナの影響下で暮らす「アンダーコロナ」の時期がしばらく続くのではないかと懸念されますが、まずはアンダーコロナに適応し変革してこそ持続可能になれるのではないかと考えます。 では、何をしなければならないかというと、SDG8.5に「雇用の確保」がありますけれども、グリーンニューディールではないかと考えられます。5年後、10年後を見据えて、日本で言えば次世代の通信環境5Gの整備やアプリケーションへの資源投入、あるいは現在非常に滞っている観光業の促進もしなければなりません。また、人が移動しなくなっても私たちが生きている限りモノの生産と配送は止まらないので、それらを維持しなければなりませんし、もっと人手がなくても運べるような仕組みになったときには、単に自動運転車だけではなくて、それに合わせた住宅や都市構造まで変えていくようなこともグリーンニューディールとして考えた方が良いと思っています。

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