TOKYO COLLEGE Booklet Series 5
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10 それから、自分のために何か行うのではなく、社会のために行動しなければならないとか、差別しないといったこと、つまり利他性や公共性は人間として当たり前のことなのですが、そういうことを非常に困難にする社会的状況が生じているといえます。その中で今回の危機が起こったからこそ、逆に「COVID-19はWake-up Call(警鐘)だ」「危機を転機に」といった言い方がされ、次のステップに移る推進力にしようとしているのです。 コロナ危機は社会の脆弱なところにより大きな被害をもたらし、社会の脆弱性を突いてきたといえます。一方、SDGsは社会の脆弱なところを課題として取り上げ、その克服を目指してきました。パンデミックという事態に遭遇して「新しい生活様式」への転換を迫られていますので、これまでSDGsが示してきた将来像とこれからの「新しい生活様式」として考えている将来像を重ねて考えることは非常に意味があると思っています。 「ポストコロナ社会とSDGs」というテーマには2つの意味があって、SDGsの経験をどうしたらコロナに生かせるかという視点と、われわれはまさにコロナ危機を経験しているわけですから、そこからSDGsを見直すという視点を併せて考えたいと思います。 今日はそのことを議論するために、3人の方をお招きしました。1人目の沖大幹先生は、国連大学の上級副学長を務め、東京大学でも教授を兼任しておられます。水資源論を専門とされていますが、今日は国連でSDGsを推進する立場から、コロナ危機とSDGsの関係についてお話しいただきます。 2人目の北村友人先生は、教育学研究科の准教授で、持続可能な開発のための教育(ESD)にずっと関わっておられました。そうした視点からコロナ危機と教育の関係についてお話しいただきます。

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