TOKYO COLLEGE Booklet Series 5
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9 1. ココロロナナ危危機機ととSDGsのの現現状状 SDGsには17のゴールが掲げられています。解決すべき課題を目に見える形で示しており、社会、経済、環境といったさまざまな側面を網羅しています。「No one left behind(誰一人取り残さない)」という基本理念の下、全世界で取り組んできました。 一方、今まさに進行しているコロナ危機では、世界の感染者数が既に1000万人を超え、死者も50万人を超えています。これまでの数字から単純に致死率、つまり「コロナに感染して結果が分かっている人(回復者数+死者数)の中の死者数の割合」を計算すると、世界の平均は8%を超えます。8%という数字はいろいろな意味で過大評価なのですが、それを考えたとしても大変深刻な事態が進んでいることは間違いありません。 2. ココロロナナ危危機機でで何何がが起起ここっったたかか 今回のコロナ危機では、病気の感染、あるいは感染によって起こる不利益が社会に遍在しており、特定の集団・地域に集中して起こっています。つまり、非常に理不尽で不公平な状況が生じているのです。その結果として、社会の分断や差別が生まれています。 さらに、いろいろな形でジレンマが露出しています。よく言われるのは、感染対策と経済活動、文化活動、人権などとの間にジレンマが生じ、それをバランスさせるのは容易ではないということです。また、現実に起こっていることが非常に複雑であり、なぜ起こっているのか、何が得策なのかといったことが容易には分からないので、混乱を生じさせています。

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