TOKYO COLLEGE Booklet Series 4
48/52

46 ータを集めないと、良いデータは集まりません。感染症対策を打つためにどういうデータが必要かということをはっきりさせてデータを集める必要があります。例えば検査した人の陽性率は重要なのですが、検査数と陽性者数の統計が別々に取られているため、比率すら求められません。非常に大事な変数なのですが、その大事な変数を得るために必要なデータが収集されていないのです。目的を持ってデータを集めることが考えられていないことが問題だと思います。 川川田田 多様な会社や環境を日常的に巻き込んでいくことが重要だと思います。その点で大学はハブになりやすく、機動性の高い組織です。特に東大の場合は、経済学部にCREPEがあり、社会科学研究所にも社会科学のデータセンターがあるので、そういうところが研究のハブとして積極的に役割を果たしていくことが重要かと思います。 宮宮川川 大学という文脈で考えると、教育が重要だと思います。データ分析においては、最初の段階でデータクリーニングと呼ばれる非常に地味な作業があって初めて分析ができるようになるわけです。そういったトレーニングの機会を学生に早い段階から提供していくことが重要だと思います。これには長期的なインプリケーションもあって、自分自身でデータをクリーニングした経験がある方がマネジメントをしているときには、よりレベルの高い業務ができるわけです。その意味で、長期的な効果も含めて教育が果たす役割は大きいと思います。 渡渡辺辺 統計の民営化が必要だと思っています。統計のサービスは国が行うものだと100年ぐらい前からなっています。しかし今やデータを持っているのは民間ですし、データのハンドリングも民間の方が重要です。そうであれば、統計サービスの提供をいつまでも政府の専売特許にしておくのは問題であり、民営化すべきだと思います。日本はそこが後れていると思っています。一つは、個人情報についての心配を国民が強く持っているの

元のページ  ../index.html#48

このブックを見る