TOKYO COLLEGE Booklet Series 4
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31 川川田田 渡辺先生の議論が非常に示唆的で、消費する財そのものが変わっていなかったとしても、経路が変わるのではないかという点は、まさに対面型のサービス業が今後厳しくなるかもしれないという点と直結していると思います。ここで伺いたいのは、クレジットカードを新たに使いだした人はそれほど激増していないのですが、渡辺先生がおっしゃったように、今まで映画を映画館で直接見ていた人たちが動画配信サービスに切り替えた結果、便利だということで定着していく可能性はあるのかということです。先生の分析では、これまで使っていなかったサービスを新たに使いだしたり、クレジットカードのサービス単位で見た場合に新たなサービスを使い始めたりした人たちがどのくらいいるのかということは既に見ておられるのでしょうか。 渡渡辺辺 先ほどの調査の100万人について、オンラインを経験していなかった人、経験していた人がどうなったかを分析したのですが、例えば特定のコンテンツ配信だけについて調べることもできます。私たちが調べたのは、例えば商品をモノとサービスに分けて傾向がどう変わったかを見ました。モノでもオンラインもあればオフラインもありますし、サービスでもオンラインもあればオフラインもあるので、もしかしたら今おっしゃったような違いがあり得るかもしれないと思ったのですが、どちらも同じ傾向でした。一言で言うと、オンラインデビューした人はあまりいなくて、元々オンラインにある程度慣れ親しんだ人がオンラインの利用を増やしていったケースが、モノでもサービスでも多かったです。

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