TOKYO COLLEGE Booklet Series 3
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10 2人目には、小野塚知二先生にご登壇いただきます。経済史がご専門で、ちょうど100年前の第一次世界大戦とそれに続く、いわゆる「スペイン風邪」に対して、大変深い見識をお持ちです。「危機」という言説が、その当時、人文学だけではなく社会のあらゆるところで語られ出したのですが、そういった「危機」言説をももう一度分析しながら、現在のCOVID-19とそれに関する言説についても示唆をいただければと思います。 3人目は、宇野重規先生です。政治思想、政治学、政治哲学がご専門で、このパンデミック下におけるデモクラシーについてお話しいただこうと思います。 パンデミック(pandemic)の語源はパンデモス(pandemos)ですから、「全ての民衆」という意味です。パンデミックの中でデモクラシーはどのようになっていけばよいのか。価値という問題を考えるときには、私たちは他者と共に価値をどのように構想し創造していくのかが重要になります。それはまさにデモクラシーの核にある問題だと思います。 この状況では、個人のプライバシーとテクノロジーの関係が喫緊の課題として問われています。20世紀の全体主義と異なり、21世紀に私たちが直面するであろう課題は、ある種のデジタル全体主義だと思います。独裁者が現れて私たちを支配するというよりは、われわれが自発的に自分の情報を出して、安心・安全というイデオロギーを強化し、正しく監視されることを望むという方向です。来るべきデモクラシーは、この課題をどう考えるのか。宇野先生にはこうしたデモクラシーに関わる問題を論じていただこうと思います。

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