TOKYO COLLEGE Booklet Series 2
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40 横横張張 加藤先生は歴史を専門とされていて、先ほど1000年の計でとおっしゃいましたが、そうした観点に立ったときに、これは失っては駄目だというものはありますか。 加加藤藤 まず、災害に対してどう立ち向かっていくかということについては、近年のキーワードとして「想定外」という言葉をよく聞きます。想定外のことがたくさん起こる時代に私たちは生きていて、その意味で大きな変化の時代なのだろうと感じています。今日お話ししたような近代世界システムのような社会システムとしても変化の時代を迎えていそうですし、伝染病や最近の地震の多さについても何か変化を感じます。そのときに、災害などの変化を予測して準備することが非常に難しいのだとすると、臨機応変に対応していく強さが精神的な強さも含めて大切なのではないでしょうか。つまり、予想しようとすればするほど自分たちの首を絞めていくようなことがさまざまなところにある気がするので、ある程度大きく予想しながら、起こったときに迅速に動けるためのフットワークや価値観の変化を大事にしたいと思っています。 残していきたいものとしては、私自身は建築というリアルなものを専門としているので、今後バーチャルの可能性が進んでいく一方で、やはりリアルの価値にこそ豊かさを求めたいと考えています。 横横張張 私は先生のお話の中で、インコンプリートな大聖堂が世界遺産になっているというお話が非常に興味深かったです。コンプリートされた立派なものだけがわれわれにとっての遺産になるわけではないという事実は、とても示唆に富んでいると思いました。 大大橋橋 今回、キーワードの1つは多様性だったと思いますが、この言葉が安易に使われ過ぎているのではないかという気がします。多様性を認めるから意見を戦わせないという風潮もあるのではないかと思います。そうし

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