TOKYO COLLEGE Booklet Series 2
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18 過去の感染症では、圧倒的に感染源の増大によって流行が拡大しました。したがってその第一の対策は感染源の量を減らすことであり、例えば上水道はとにかく塩素で消毒しましたし、下水道も消毒処理を実施してさらに接触確率を低減するための汚物の排除も行われました。基本的に過去のインフラ対策は感染源の量の低減に重点があったので、インフラの増強で対応できたのです。 一方、今回の新型コロナウイルス大流行は、接触確率の増大が圧倒的に効いたと考えられます。人やモノがグローバルに迅速に動くことが感染拡大の主要因とすると、対策として接触確率をいかに減らすかが鍵になることは間違いありません。そうすると、妙薬はなかなか思い浮かばないのですが、まずは上記の「リアル・バーチャル・オフ」のうち、バーチャルの活用をうまく図ることが有効と考えます。「旧式リアル」が「リアル」と「バーチャル」に分かれたというと、バーチャルはリアルの代替という考え方にどうしてもなりがちなので、バーチャルでは満足できない要素などネガティブな面が目立つこともあります。しかし、バーチャルはリアルの図3 過去の感染症と新型コロナウイルス感染症の比較

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