TOKYO COLLEGE Booklet Series 2
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17 かなり重要な役割を担うことは間違いなく、通信なしでは実現できないような仕組み・システムが今後増加し普及するだろうと思います。 ただ、一方で、ICT弱者と呼ばれるような人々をどうやってインクルードしていくかが重要な論点になると思いますし、常にオンラインで監視されているような社会は誰も望まないと思います。つまり、通信の恩恵を享受しつつ、逃げ場、つまり「接続しない自由」をいかに担保するかが非常に重要な社会的課題になると思います。 3点目に、今回の新型コロナ感染症が過去の感染症と比べて決定的に違うのは、昔は都市の劣悪な衛生環境が主因となって感染症流行を引き起こしましたが、今回はそのような原因で感染症が流行したわけではないということです。では、今回の世界的大流行は何が主な原因だったのでしょうか。 3. 接接触触確確率率をを低低減減すするるたためめにに 感染症の発生モデルを数学的に表現する試みは、学問の一分野として存在します。精緻で高度なモデル化が研究されていますが、それを極めて平易にまとめると、感染する確率は「感染源の量」と「接触確率」で決まり、そこに、例えば被感染者の感受性など多種多様なファクタが効いてくるということです。ここでは大胆に、感染源の量と接触確率の2つのファクタだけに注目して考えることとします(図3)。

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