TOKYO COLLEGE Booklet Series 1
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26 るかもしれない患者でした。発熱があり、あっという間に呼吸困難となって人工呼吸管理を開始しました。他院から搬送され、ECMOを使って人工呼吸をほぼ止め、肺が良くなるのを待ってECMOを離脱し、しばらく人工呼吸を続けた結果、良くなりました。この男性は、ICUに1カ月以上滞在しました。 3. わが国の集中治療の現状と課題 わが国において、ECMOを使わずに人工呼吸だけで呼吸管理を行った症例の成績を見てみると、8割以上の患者が生存しています。一方、ニューヨークのデータを見ると、約9割が亡くなっています。ほぼ逆の結果であり、日本の集中治療の成績は非常に良いということになります。ECMOの救命率を見ても75%ほどで、世界的に見てもトップの成績です。

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