TOKYO COLLEGE Booklet Series 1
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9 1. 新型コロナウイルスの現況 新型コロナウイルス感染症は、2019年12月に中国・武漢市で肺炎患者の集団発生が報告されて以後、あっという間に全世界に広まり、世界保健機関(WHO)はパンデミックであると宣言しました。1月初めのCNNのレポートも、「ミステリアスなウイルス感染症がはやっているが、SARSではない。一体何なのか」という内容だったので、この時点では感染症の実態がまだ分かっていませんでした(図1)。しかし、原因がただちに解明され、新型コロナウイルスによる感染症であることが分かりました。 通常のコロナウイルスは元々、軽い風邪を起こすものです。重症化を起こすコロナウイルス感染症として初めて有名になったのがSARSです。現在まで8000人の感染が報告され、774人が死亡しました。次に出てきたのがMERSです。2500人の感染で、3分の1が死亡しました。一方、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者は、本日までに全世界で794万人、死亡者は43.5万人で、従来の重症型のコロナウイルス感染症と比べても桁違いのものであることが分かると思います。 図1

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