共同研究イベント「帰属をめぐる境界」開催
東京カレッジの共同研究会「ジェンダー・セクシュアリティ・アイデンティティ」と「グローバル・ヒストリー」は、2025年6月26日(木)10:30~12:00にラトガース・ニュージャージー州立大学 歴史学准教授/女性研究所所長/グローバルアジア共同所長の池谷智恵氏をお招きし、Zoom講演会を開催します。こちらからお申し込みください。

イベント要旨:
帰属をめぐる境界:人種、宗教、植民地主義を越境する間アジア的親密さ
本報告は、白人植民地支配者と現地の愛人というヨーロッパ中心主義的な語りによって覆い隠されてきた、境界を越えた帰属の歴史に光を当てる。1840年から1940年にかけて、数百万人もの人々がアジア各地からビルマ(ミャンマーとしても知られる)に到来し、現地女性と親密な関係を築き、ビルマ系ムスリムや中国系ビルマ人・インド系ビルマ人・より複雑な縁故や系譜をもつミックスルーツ、といった様々なコミュニティを形成した。20世紀を通じて、こうした間アジア的な関係は、マイノリティのアジア人を従属させ女性の権利を制限しようとする、政治的扇動や立法活動・集団的暴力の標的となった。これらの排斥的な動きの結実として、今日もビルマとその近隣諸国を悩ませ続けている、人種・宗教・国家に関する理解が生まれた。本報告では、史料の発掘と家族の歴史・複数世代にわたるストーリーテリングを織り交ぜながら、こうした排斥運動の標的となった人々が、植民地主義とナショナリズムの移り変わりの中で、どのように自らの生を築き、再構築したかを明らかにする。さらに、間アジア的な親密さが、アジア中で、知や・権力・欲望をめぐる近代的な制度の基盤であったこと、今もなおその基盤であり続けていることをを示す。
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